通勤から在宅ワーク、時短営業の外食規制におうちでの自粛生活。暮らしにおいて、当たり前だと思っていたことが本当は当たり前ではないことに気付き、改めて日常生活に目を向けるようになりました。時間があるからこそ、じっくり吟味して、「これだ」と思うものを迎え入れていくこと。それがモノを通して、暮らしを便利で豊かにアップデートできるはず。
2月のピックアップ企画は、一手間が苦にならない、調理器具のすすめ。調理器具をアップデートして一手間かけるだけで、同じ食材を使っているのに、レストランや料亭のような料理を作ってみませんか?作るのも楽しく、食べるのも美味しいおうち時間。何世代も前から台所で愛され続ける調理器具でありながら、便利な今の時代に改めて取り入れるとなんだか新鮮に感じるアイテムを2月の約1ヶ月かけてご紹介します。
今回お届けしたいのは、鉄フライパン。みなさん、鉄のフライパンを使えば、美味しく料理できるらしいということはご存知だと思います。でも気になる点があるから、どうにも手が出せない。そんな以前インスタグラムで鉄フライパンについていただいた質問にお答えしていきます。
A:今回ご紹介するde buyerのフライパンなら、スタッフが試したところおよそ10分で初回の作業が完了します。
一般的に鉄フライパンの使い始めにシーズニング(焼き入れ・油ならし)が必要とされていますが、de buyerのフライパンは、「熱湯をかけて錆止めの蜜蝋塗装を流す」、「油を薄く引いて、5分加熱する」だけで完了します。
A:使う前に油の膜をしっかり張れていれば、こびりつきはほぼありません!万が一こびりついて取れなくなった場合は、ヘラなどで削ったり、そのまま火で焼き切ってしまったり、金属たわしなどでゴシゴシしてしまってOKです。テフロンの場合はコーティングの剥がれが気になってゴシゴシできないかと思いますが、そういった点では全く別のアプローチができますのでご安心ください。
A:環境にもよりますが、日々使っているならば特別錆びやすいと感じることはありません。また、長期保管で錆びてしまった場合も、早めに気づいてケアすれば復活します。
A:答えはYESです。どちらかというとこのフライパンは、じっくり火を通す料理に向いています。ですので、中華料理のように振って水分を飛ばす料理は別のフライパンで行うなど、使い分けされると良いと思います。
番外編:鉄フライパン愛用者に聞いた、お気に入りポイント
ステンレスのものと使い分けていますが、鉄フライパンばかり使ってしまうという意見も多くありました。
今回ZUTTOがご紹介するのは美食大国・フランスから届いた老舗ブランドの本格フライパン、de Buyerのミネラルビーフライパンです。
世の中に数多くある鉄フライパン。それでもde Buyerのフライパンがやっぱり鉄フライパンの良さを感じやすく、長く使えるからおすすめしたいと思うのです。例えば、こんな点。
■底が厚く、しっかりしたフライパン
同じ鉄フライパンでも1.2mm程度のものから、3mmを超える厚みのものがありますが、このミネラルビーフライパンは【2.5mm】の厚みがあります。薄い板厚のものとはちがい温度変化が緩やかで、厚みのあるお肉や、お野菜を焦がさずじっくり焼くことができます。ステーキや餃子、ホットケーキなどしっかり焼きたいものにむいています。フライパンのサイズと、厚みの程度によって、重さはかなり変わってきますし、もちろん厚みだけでフライパンの価値をランク付けるものではないのですが、これだけしっかりした作りのフライパンで1万円を切る価格というのは魅力的です。
■焼き込みいらず、油ならしのみで、初心者に優しい
通常、鉄フライパンには錆止めが施されているため、錆防止の塗装を焼ききる(空焼きする)必要があります。煙と臭いが出て、側面もしっかり火に当てる必要があるので、意外と骨の折れる作業なのですが、今回のミネラルビーフライパンは、蜜蝋の塗装がされているので熱湯をかけるだけで大丈夫です。お湯をかけた後、水分を拭き取って、油ならしを5分行ってください。
お湯をかけている様子。お湯をためて置ける場所があれば、そこに浸ける方がいいと思います。また、万全を期すため、最初に洗剤で洗ってしまう人もいるようです。
こちらは油ならしをしている様子。フライパンの表面を覆う程度の食用油を注ぎ、5分ほど加熱します。その後、油をフライパンからオイルポットなどに移し、ペーパータオルで側面に馴染ませるといいです。実際に油ならしをしている様子はこちらの動画からご覧ください。
■無骨な見た目と機能性でどんなお家のキッチンにもおすすめできる
ミネラルビーフライパンは、持ち手も鉄製(樹脂コーティング)でしっかりしているため、木やプラスチックの持ち手と違ってフライパン本体と同じくらいの寿命を持っています。厳密にいうと鉄製の持ち手は樹脂でコーティングされていて、剥がれてくることはありませんが、長時間加熱すると持ち手はやや熱くなってきます。それなので、持ち上げる時はキッチンタオルやオーブンミトンのようなものを使うといいと思います。
鉄同士でつながっている形状は、突然外れてしまうような心配もないですよね。プロが使うような無骨な見た目で、性別関係なくどんな方にも「素敵だな」と思っていただけるようなフライパンです。
■価格
鉄のフライパンは、色々見ていくと安価なものも市場に出回っていますが、このしっかりした作りや、美食大国フランスの誇る老舗ブランドであること、また憧れの鉄打ち出しのフライパンは3倍以上の値段になることを加味すると、満足いくお買い物になる方が多いのではと思います。
油ならしが完了したら、まずは軽く残り野菜を炒めてみました。水分が気持ちよく飛んでくれ、シャキッ、サクッとしました。
使い終わった後は、すぐにシンクに持って行き、タワシでゴシゴシ洗うだけ。水分を拭き取り、油を塗って保管するのですが、一度使っただけでこんな感じに色に変化がありました。使い込むまでは少々不格好ですが、少しずつこなれたフライパンに変化していくのが楽しみです。
使い終わったフライパンは熱いので、たわしは持ち手がついたものや細長いものがおすすめです。
鉄フライパンと他のフライパンの仕上がりを比較するために、次は目玉焼きの作り比べをしてみました。
フライパンに同じ時間火をかけて、油を引いたところに卵を入れただけですが、鉄とテフロンを比べると若干テフロンの方が白身が薄く、鉄の方が端っこがカリッと仕上がっているように見えます。スタッフが実際に試食してみました。
スタッフ:実食してみたところ、私は鉄のフライパンで焼いた目玉焼きが好みでした。白身の美味しさが違います!鉄フライパンで作った目玉焼きは、フライパンに接していた部分がびっくりするほどカリッと焼けていて、白身がふっくらしていて美味しいんです。テフロンのものが美味しくないというわけではないんですが、個人的に卵の白身の食感が苦手だったので、鉄フライパンで焼いた目玉焼きの白身の美味しさにびっくり。水分が一気に飛ぶのが関係しているんでしょうか?カリッとしていて、白身も黄身もほくほくしていて、素材本来の美味しさが際立っているように感じました。
じっくり焼ける板厚のフライパンだからこそ、裏面がカリッと焼けて美味しく食べられたようです。
せっかくならミネラルビーフライパンで、じっくりお肉を焼いてみたい。今回は皮付きチキンを焼いてみました。皮目を先に入れて、じっくり火を通して出来上がったのがこちら。
簡単に焼いただけですが、皮の部分は焦げずにカリッと綺麗に焼けました。普段別のフライパンで焼く時は皮の端っこが焦げついてしまったりしていたのですが、フライパンの底の熱が一定だからか、コツいらずでじっくり綺麗に焼けています。中もふっくらジューシーで、とても美味しくいただけました。
パンケーキは、定番でありながらちょっと目を離すと一気に焦げ付いてしまうもの。じっくり火を通せるフライパンは、表面だけ焦げ付いて生焼け・・という可能性も減りますね。
焦げずにふっくら焼くことができました。
実際に鉄フライパンを使い始めてみて、気がついたことがあります。
■メリット:フッ素加工が取れかけたフライパンが、思っていたよりストレスになっていたことに気づいた
加工されたフライパンを使っているとどうしても表面の劣化は避けられません。しばらくすると表面がこびりつきやすくなっていたのに、そのままにしていました。でも今回きちんと油を引けばカリッと焼けてこびりつきもしにくい鉄フライパンを使ってみて、フッ素加工の劣化が料理のストレスになっていたことに気付きました。
■メリット:失敗してもリセットできる安心感があった
例え少し錆びてしまっても、金タワシなどでゴシゴシ落としてケアしてあげればリセットできるという安心感はあります。
■メリット:普通の食材でもレストランクオリティに
とにかく時短、ケアが簡単なもの!と思っていましたが、いつもと変わらない食材で、簡単な炒め物がここまで美味しくなることに感動しました。じっくり熱を入れる鉄フライパンは表面はカリカリサクサク、中はジューシーでふっくらして、レストランクオリティになるので料理が楽しくなりました。
■デメリット:重量はある
アルミやステンレスのフライパンと違って、やはり重さはかなりありました。24cmのフライパンを普通女性が持つと、両手で持ち上げるようになります。ただ、鉄フライパンはじっくり火を通すのが得意なので、フライパンを振るような料理の時には、もっと板厚が薄い鉄フライパンや、それこそ軽量なフライパンと併用してもいいかなと思っています。
■デメリット:持ち手が熱を持つ
実際に使ってみないとわからなかったのですが、持ち手も鉄製なのでじっくり焼いていくとやや熱を持ちます。持ち手は樹脂でコーティングされていますし、触ってすぐに火傷をするほどではないのですが、持ち上げるときはミトンがあると便利です。フライパンを振る料理はあまりしないので、どちらかというとお鍋を使っている感覚です。
2月は「調理器具のアップデート企画」が続きます。鉄フライパンを始める方にご一緒におすすめしたいキッチンアイテムをご紹介します。
■【限定】リネンオーブンミトン/fog linen work (税込1,815円)
持ち手を掴むのに握りやすいミトンがあると便利。今回ご紹介したリネンオーブンミトンは、小ぶりなサイズでちょこんと指先にはめるだけのつくり。フックに吊るしておき、ささっと着用することができます。生地の外側はリネン生地、中には断熱のための革と綿が入っており、熱い鍋や持ち手が熱くなるフライパン、オーブン料理などにも安心してお使いいただけます。
※こちらの商品は1点のみの購入ができません。他商品をカートに入れた後に、購入可能となりますのでご注意ください。
■こしますオイルポット/conte(税込4,620円〜5,280円)
油ならしをする場合、オイルポットがあると便利です。こちらのこしますオイルポットは、油「漉し」がついた水「升」(みずます=計量カップ)から名付けられました。その名前の通り、持ち手のついた容器、網、蓋、というシンプルな構成で作られており、さらに容器の縁は巻かれていないので、お手入れも簡単です。
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