ぼてん、と丸くかわいらしい印象のサボサンダル。
サンダルと名がつくことから、夏に履きやすい靴ではありますが、
合わせる小物によって夏も秋も冬も履くことの出来る
万能靴だということをご存知でしたか?
今回はそんなサボサンダルの魅力と、
季節をまたいだコーディネートについてご紹介していきます。
サボの定義として、「足のつま先から甲を覆う靴」という説明があります。
同じように甲を覆うデザインのカバードサンダルと違い、
サボは甲部のシルエットに丸みがあり、
靴底に木や厚めのコルクを使用しているのが特徴です。
かかと部分が露出しているデザインが多いのですが、
かかとまでカバーされているデザインの場合でも、サボと呼ばれます。
発祥はスウェーデンと言われ、木靴をルーツにした、
もともとは農民のための仕事靴だったのだとか。
ぽってりとしたフォルムでつま先に空間的ゆとりがあり、
履きやすく疲れにくいという特徴から、仕事靴として生まれ
履かれ続けてきた経緯があるのかもしれませんね。
足が全て覆われていない靴、いわゆるサンダルは
一般的に夏に履くものですが、
ことサボにおいては、「サンダル=夏」の概念がなく、
様々な季節を通してファッションアイテムとしての自由度が高いのが魅力と言えます。
サボの魅力の一つは、小物を使うことで季節を通して様々な
スタイリングを楽しむことですが、夏から秋へのシフトは、このようなイメージ。
・晩夏(8月末〜9月中旬):まだまだ暑さ続く時期は素足で爽やかに
・仲秋(9月末〜):靴下とのコーデを楽しむ(更に寒くなればタイツとも合わせて)
それでは、ZUTTOでご紹介しているサボサンダルの夏・秋の
コーディネート例をご紹介します。
サングラス:Persol/サングラス 0PO3108S
BOSABO(ボサボ)のサボは、ソール部分に木を採用し、
伝統的なサボを思わせます。それもそのはず、120年以上に渡り
サボを作り続けている老舗シューズメーカーで、
すべてフランスでの一貫生産にこだわります。
15人の職人が一つ一つ木を削って作りあげる昔ながらの製法のサボは、
長くものづくりをしてきた職人の手仕事のぬくもりがある靴です。
アッパーのレザーとソールをつなげるのは、デザイン的にも
特徴となっているスタッズ。レザーももちろんそうですが、
履きこんでいくうちに増すスタッズの風合いも楽しめます。
7cmのヒールは歩きやすく、深めのアッパーなので
靴下やタイツを合わせた時にすべって脱げてしまいそう、という
不安も緩和されます。
サボ:dansko/Professional プロフェッショナル Antique Brown Oiled
バッグ:STANDARD SUPPLY/B TOTE/S BLACK
サボ:dansko/Professional プロフェッショナル Antique Brown Oiled
シャツ: INDIVIDUALIZED SHIRTS/LADIES BANS COLLAR SHIRTS
dansko(ダンスコ)のプロフェッショナルシリーズは、
20年以上作り続けているブランドの定番品です。
季節やファッションの流行に左右されにくい、合わせやすい
デザインなので一足あるととても重宝すると思います。
プロフェッショナルは、足指の付け根ではなく
甲部分で止めて履くため、歩く時にかかとが上下するサイズをおすすめします。
他のシューズにはなかなかない、独特のスタイルなので
もしかすると最初は違和感があるかもしれません。
ですが、何度か履くうちに圧迫感のないその履き心地がクセになってきます。
サボ:dansko/Ingrid イングリッド Black Oiled
ネックレス:000/Sphere silk SPS003
バッグ:宮本工芸/ZUTTO別注あけびのかご(販売終了品)
サボ:dansko/Ingrid イングリッド Black Oiled
イングリッドシリーズはよりサボらしいフォルムで、
バックストラップを前に倒して履いたり、かかとのほうに回して
固定させて履くことも出来ます。
冬になると厚手のソックスやタイツとのコーディネートを楽しみたい
方には、バックストラップによってサイズ調節が出来るのも嬉しい点ですね。
プロフェッショナルシリーズ同様、イングリッドシリーズもまた、
ブラックとブラウンの色味は、オイルドレザーを採用しています。
油脂による特別な加工が施されたレザーで、登山靴にも使われている
耐久性・耐水性が高い素材です。
素材の機能性に加え、ソールの高さもあるので10cmほどの水たまりでも問題ありません。
足場が濡れているレストランの厨房の方が履くだけのこともあり、
雨の日だって活躍してくれますよ。
dansko(ダンスコ)は1990年にアメリカ・ペンシルベニア州で誕生しました。
創設者が故郷のデンマークの小さな靴屋でクロッグス(木靴)を見つけたのが始まり。
このクロッグスをヒントに、さらに履き心地の良い靴の開発に取り組んだのです。
ちなみにブランド名の「dansko(ダンスコ)」とは、「デンマークの靴」
という意味なのだとか。デンマークでのサボとの出会いを大切にしているような、
そんなブランド名ですね。
dansko(ダンスコ)は、コンフォート性、サポート力、耐久力、フィット感など
性能の高い標準を満たすために初期のスケッチから最終検査に至るまで
数百の工程を経て作り出されます。
アッパーの革素材は、
毎シーズン世界中から数千のサンプルの中から厳選されています。
dansko(ダンスコ)の高い品質基準に見合うものであるか、
製造工程において複数回テストがなされ、もちろん完成した靴の
チェックも厳しく行います。
さて、ここからdansko(ダンスコ)のサボの特徴や履き心地について。
サボに限らず、ほとんどの靴は、足の親指の付け根がフィットする
ように作られています。
ですがdansko(ダンスコ)の靴は足の甲がフィットします。
これをユーロフリーダムフィットと呼びますが、
靴の中で足の指を広げられるので足先の血液の循環が良く、
長時間履いていても足に負担がかかりにくいのが特徴です。
甲に当たるアッパー部分にはパッドが入り履き心地に差が生まれます。
この、フィットするサイズ感により、サボだけれど「脱げない」
安心感につながっています。
ソール部分は軽いラバー素材で作られていて、
足裏の部分にポリウレタンフォームを入れているので、
心地良い柔らかさがあり、全体のバランスが良いので安定感があります。
さらにインソールの部分には通気性を良くする穴が無数に空いているので、
むれる心配もありません。余すことなく、使う人の履き心地が追求されたシューズです。
動きまわる看護や介護の場でも採用されている理由が分かりますね。
dansko(ダンスコ)のサボは、履く人のことを真摯に考えた
デザイン、構造と素材選び、そしてそれらを合わせるための
高い技術力で支えられているのだと感じます。
BOSABO(ボサボ)は、シリーズによって伝統的な木のソールを
使用するブランドです。
1970年頃まで一筋に作り続けてきた木靴でしたが、
4代目がフランスの靴職人学校で学び、履き心地にもこだわり、
アッパーにレザーを用いるようになったことで新たなデザインが生まれます。
15人の職人が一つ一つ木を削って作りあげる昔ながらの製法のサボ。
人の足の形に合わせ、カーブなどのフォルムも手作業。
長くものづくりをしてきた職人の手仕事の技術やぬくもりを
感じることの出来る靴です。
そしてBOSABO(ボサボ)もまた、素材の調達にこだわります。
ソールに使用される木は、ブルターニュにある近隣の国立森林地区から
切り出された間伐材でPEFC認証のブナの木です。
持続可能なものづくりを行うため、森林管理の徹底されたところからしか
木を購入することはないと言います。
また、アッパーのレザーはフランス国内またはフランスと国境を接した
近隣国から厳選したものを使用しています。これは、素材輸送のための負荷を軽減するため。
使用されるレザーはベジタブルタンニンで、アレルギーが起こりにくいと
言われています。自然の風合いを出しつつ、美しい経年変化をするよう計算されています。
こうして、使う人にとっても長く愛用したくなる素材であると同時に、
持続可能性や自然環境、エネルギーという点で製造中の環境にも
配慮をしているのが、 BOSABO(ボサボ)の素晴らしいところでもあります。
サボは、合わせる小物次第で季節問わず活躍する靴です。
それはつまり、長期に渡って休ませることのない靴ということ。
サンダルやブーツは季節が決まっているので、シーズンオフの際は
適切な保管方法をすれば靴を休ませ劣化を防ぐことが出来ますが、
サボやスニーカーなどは、日々の使い方とケアでその寿命が
変わっていると言えます。
・アッパーのレザーはブラシとクリームで
サボのアッパーにはレザーが使われていることが多く、
他の革靴同様、水や湿気、乾燥が苦手で定期的なお手入れが必要です。
ブラシで汚れを落としてから革靴用のクリームと柔らかい布で
保湿をしてください。
・ソールの汚れ落とし
サボの特徴である高いソール。目につく面積が大きいことからも、
ソールについた汚れは定着する前になるべく早く取り除くことが良さそうです。
また、木で出来ている場合は特に傷が目立ちやすいので、
1日履いたらチェックしてメンテナンスしてくださいね。
1.靴ブラシでアウトソールや側面についた汚れを払います。
2.内部の湿気を取るため、すぐには下駄箱に仕舞わず、
1日は玄関または外に出しておいてください。
※レザーは連続使用をすると型崩れや摩耗が進みます。1日履いたら数日は
休ませるようにすると一足一足が長持ちします。
・木ソールは割れに注意
木のソールが水に濡れた際は、直射日光やヒーターなどで乾かすのは
避けてください。木が乾燥して割れてしまう恐れがあります。
・型崩れに注意して保管
アッパーのレザーが柔らかい場合、保管時に他の靴によって
潰されてしまうと型崩れを起こした状態で形状が決まってしまいます。
そのため、シューツリーや丸めた新聞紙を入れるなどして、
本来の形を保ったまま保管すると良いですね。