生地の中に霜降りのように白い糸が垣間見える、独特な質感を持つシャンブレー生地。その爽やかな見た目と肌触りから、暑い夏空の下で身に付けたくなります。
シャンブレー生地。名前は耳にしたことがあっても、実際のところどんな生地を指すかご存知でしょうか。
シャンブレーとは、経糸と緯糸を交互に編んでいく平織り生地の一種で、経糸に色の糸、緯糸には白糸を使って織り上げたものを指します。表面の布に糸が均等に現れ、霜降り、つまり霜のように白糸がぽつぽつと見えます。デニム生地のように色落ちが目立たないのも、シャンブレー生地の特徴です。
シャンブレー生地の起源は正確には分かってはいませんが、カンブリーという北フランスの街で作られた「カンブリック」と呼ばれる織物が起源である、という説が有力のようです。16世紀半ば、この「カンブリック」はリネンで織られる事が多く、その後、綿が主流となりました。シャツやハンカチなどにもよく使われ、丈夫で薄い生地なので刺繍などにも適していました。このカンブリーでは平織りの作業服が多く生産されてきたといいます。
シャンブレーという言葉は19世紀初頭、米国海軍がデニムとともにシャンブレー生地の使用を許可したことで、広くアメリカ全土で知られるようになりました。急速な普及により、丈夫な作業服として市民権を得たシャンブレー生地は、【ブルーカラー】としてデニムとともに労働者を表す言葉になっていきます。このように労働階級や職人から普及したシャンブレーやデニムも、現在では女性のドレスや子ども服にも使用されるようになりました。
ブルーカラーという名からも、どことなく青色のイメージのあるシャンブレー生地ですが、「シャンブレー」はあくまで織り方を指し、上記のようにグレーがかった色など、経糸の色は青色に限りません。見る場所によって色合いが変化して見える奥行きと光沢感があり、ナチュラルな品の良さを楽しむことが出来ます。
「霜降り生地」と聞くと、思い浮かべるのはデニム生地ではないでしょうか。シャンブレーと似た雰囲気があり、混同されやすい生地ではありますが、その違いは「織り方」にあります。
シャンブレー生地は【平織り】ですが、デニム生地は【綾織り】なのです。綾織りとは、経糸と緯糸が交互に織られているシャンブレーとは異なり、経糸が複数の緯糸をまたぎ、繰り返しずらす織り方です。綾織りはツイルとも呼ばれ、斜めに白糸が現れていることが分かります。
ジーンズに代表されるデニム生地
デニム生地の場合、出来上がった模様は左右非対称になり、生地の表面では経糸の割合が高くなる。言い換えるとデニムの裏生地は白い糸がよく見えるようになります。一方で、シャンブレー生地の場合、白糸の模様が均一に浮かび上がります。
また、シャンブレーを始めとする平織りの生地は摩擦に強く、高い強度がありますが、綾織りのデニムの場合、生地が密になっていることで伸縮性に優れ、シワがよりにくい特徴を持つ生地になります。デニム生地のジーンズが徐々に柔らかくなっていくのは、この理由です。
多くのシャンブレー生地は綿素材から出来ています。綿は吸水性、保温性のほか、通気性に優れています。水に濡れると繊維の強度が上がる性質があるため、お洗濯にも強い素材と言えます。綿素材のシャンブレー生地は、薄手なのでシャツでも上品で奥行きのある印象を作ることができます。
麻は綿と同じく通気性に優れ、程良いシャリ感があり、肌に触れるとひんやりと感じられる素材です。生地に糸が溜まったように見えるネップやフシが入るのが最大の特徴で、軽やかな雰囲気を楽しめます。麻のシャンブレー生地は、カジュアルで優しい雰囲気を作ることができます。
白糸が見えた様子が夏にぴったりのシャンブレー生地。ZUTTOにも夏のとっておきが揃っています。
メンズ CHAMBREY SKIPPER シャツ/ORIAN
ORIAN(オリアン)は、イタリアの伝統的なドレスシャツの仕立て技術を、試行錯誤を重ねて現代に昇華させるのに成功したブランド。過度な装飾を施さず、着る人自身の個性を引き出すようなデザインを生み出しています。
メンズ CHAMBREY SKIPPER シャツは、アメリカンヴィンテージを表現したような、男性向けスキッパーシャツ。綿素材のさらりとした質感で、とても柔らかくすっきりとしていて、リラックス感がありながらも上品な印象を与えます。
ありそうでない、大人の男性のためのスキッパーシャツは、シャンブレー生地を使用することでより一層爽やかな気分になりますね。
エアーシャンブレー 袖ギャザーブラウス/Vlas Blomme(ヴラスブラム)
Vlas Blomme(ヴラスブラム)は、リネンの中でも最上級と言われているベルギーの「コルトレイクリネン」を使い、暮らしに寄り添うデザインを提案する日本ブランド。
ギャザーブラウスは、リネンのシャンブレー生地を使用して、全体的な軽さを表現。鮮やかな色を中白で染めることにより、爽やかで陽気な表情に仕上がっています。仕上げはタンブラー乾燥で、柔らかく洗いざらした風合いを出しているので、洗う前のリネン素材独特の硬さはなく、程良くくったりと体に馴染みます。
デコルテをすっきりと爽やかに見せてくれるカッティングで、袖はギャザーになっており、ふわふわと揺れて可愛らしい印象。夏の高い空を思わせるL.BLUE、深く透明な海のようなTURQUOISEのカラーの2色展開で、どちらも大人の女性の可愛らしさをぐっと引き立たせてくれます。
エアーシャンブレー ウエストフリルスカート/Vlas Blomme(ヴラスブラム)
ウエストにたっぷりとギャザーを入れた、ウエストフリルスカートはギャザーブラウスと同じリネンで作られたもの。ギャザーに合わせて生地を調節しているので、ふんわりとしながらも甘くなり過ぎません。天然素材ならではの自然で軽やかな風合いと、上質なコルトレイクリネンだからこそ生み出せる質感は、唯一無二の着心地を生み出してくれます。
シャンブレー生地は日差しを受けると、独特な光沢が現れます。Tシャツやシンプルなカットソーと合わせても素敵ですし、エアーシャンブレー 袖ギャザーブラウスと合わせてセットアップのように着るのもおすすめです。
晴雨兼用折りたたみ傘 シャンブレーコーティング/KOMIYA
シャンブレー生地は、衣服以外にも使われています。こちらはシャンブレー生地を本体に採用した折りたたみ傘。一般的な日傘よりも更に紫外線対策に抜群の、特別な加工を施した遮光率・紫外線カット率が99.99%以上の1級遮光傘です。さらに撥水加工が施されているので、一時的な雨にも使うことが出来ます。
手がけたのは1930年に洋傘・ショールのメーカーとして東京でスタートした小宮商店が展開するブランド、KOMIYA(コミヤ)。創業以来今日まで洋傘一筋、日本にはもうごくわずかになった国産の傘を作り続けています。伝統的な生地や技法を用いた、日本の熟練職人ならではの丁寧な手仕事が感じられる、ずっと使っていたくなる「一生もの」の傘のブランドです。
晴雨兼用折りたたみ傘 シャンブレーコーティングは、傘の内側が黒い生地となっており、アスファルトなどの地面からの照り返しを吸収する役割を果たしています。内側が黒いことで重たく見えそうなこの傘も、表面を淡い色の綿シャンブレー生地にすることで、見た目にも涼を感じることが出来ます。眩しさも軽減し、まるで木陰を連れて歩いているような清涼感は、さすが1級遮光傘。
晴雨兼用折りたたみ傘 シャンブレーコーティングのお色は、ピンク・ブルー・グレーと、パステルカラーを揃えています。シンプルで主張しすぎない生地なので、お洋服との相性を心配することなく、毎日持ち歩いて使ってくださいね。男性にもおすすめで、スーツ姿にも良く似合います。
リネンシャンブレータオルケット/fog linen work
シャンブレー生地は寝具にも使われることで、熱帯夜が続く夏の夜を快適にしてくれます。
fog linen work(フォグリネンワーク)のリネンシャンブレータオルケットは、柔らかく薄手ではありますが、リネンならではの丈夫さがあり、目が詰まっているので程良い重さと通気性があります。夏のおやすみ用タオルケットとしてはもちろん、外にお出かけの際に、敷物として持って行く方も多いほど。
fog linen work(フォグリネンワーク)は、リネンの原産国として有名なリトアニアのリネンを使用し、「日常生活で気兼ねなく使えるリネン」を最高級品としてこだわり、生活を豊かに彩るような商品を生み出しています。
リネンシャンブレータオルケットは、寝具としてだけでなく、ソファーに掛けたりとインテリアとして使うことで、お部屋の雰囲気を涼しげに変えてくれます。ご自宅で気軽にお洗濯も可能で、洗う度にくったり肌に馴染んでいくリネンシャンブレー。寝室、リビング、そして屋外まで。夏の間にどんどん使い倒したくなるタオルケットです。
夏が益々楽しみになる涼しげなシャンブレー生地。日常で使うアイテムの中から、是非お気に入りを見つけてみてください。
▽上質なドレスシャツメーカー。ORIAN(オリアン)
▽コルトレイクリネンの良さを伝える、Vlas Blomme(ヴラスブラム)
▽職人が作る国産傘。KOMIYA(コミヤ)
▽生活に馴染むリトアニアリネン。fog linen work(フォグリネンワーク)