ずっと使いたいモノ、置いてます。

置き場所広がるスリムタイプ

籐（とう）素材の収納雑貨やスツールを手がける山形県のツルヤ商店さんは長年ご紹介しているブランドで、暮らしの中にすっと溶け込んでいくような素朴で美しい見た目だけでなく、軽くて丈夫という籐の機能性の高さにも惹かれます。そんなツルヤ商店にお願いして作っていただいたのは、人気の籐脚付きバスケットの「ここがこうだったらいいな」を形にしたＺＵＴＴＯ別注アイテム第二弾です。

狭い場所にも置けるように

作っていただいたのは、【別注】籐 3段 奥行きスリムラック。過去受注会でご紹介してきた、ツルヤ商店の2段・3段のランドリーバスケットは奥行きが約33cmだったのでそれより約8cmスリムな形です。このアイテムを企画したスタッフはツルヤ商店のかごのファンで、愛用者。狭い玄関や廊下にも置けるスリムな籐ラックがあれば、「ここにちょっと置きたいもの」の収納が叶うのにと思っていたのです。

これまでの籐かごシリーズや別注の籐編みスツールと一緒に使っても違和感がないように、【別注】籐 3段 奥行きスリムラックも籐本来の素肌を活かしたナチュラルな無塗装仕上げです。籐家具と聞いて想像するようなツヤツヤのものではなく、白くてマットで、軽やかな雰囲気なのでリビングのフローリングや玄関・キッチンのタイルにもよく合います。

籐は木材と比べると軽くて扱いやすく、曲げ加工がしやすいため古くから暮らしの道具として収納雑貨や椅子などが作られてきました。ツルヤ商店の籐かごは｢曲げる｣｢巻く｣｢編む」すべての工程が手作業であるために、どことなく人の温もりを感じられます。日本人の繊細さが、作りの頑強さになり、耐久性に繋がり、予想以上に丈夫で長持ちするアイテムです。

収納はもちろん、飾り棚としても

【別注】籐 3段 奥行きスリムラックの一段目はぐるりと柵状になっていて、圧迫感がありません。二段目、三段目は手前の柵を少し低めにして、ものの出し入れをしやすくしています。注目していただきたいのが二段目、三段目の側面の丸い飾り。柵よりもさらに抜けを感じるので、気に入っている雑貨や置物、花瓶、キャンドルなどを置くと横からでも目に付きやすいのです。収納道具は「ものを仕舞う」ためのものですが、この籐 3段 奥行きスリムラックは飾り棚のような役割も果たしてくれる作りにしています。

籐の無垢の木肌は白くて比較的均一で美しいのですが、目を奪われるのはそれだけではありません。かごの底面はピシッと揃った八つ目編みで職人さんの技の正確さと美しさを感じますし、脚と支柱と持ち手が一体となった長い籐を曲げる技術も特殊なものなのだろうなと感嘆したり、テープ状になった籐が緩みなく巻きつけられてところなど、そうした細部のこだわりに目を向けたくなります。日常の暮らしの中でふと目に入るとちょっと気分が上がる、大切にしたいなと思える愛着の要素が詰まっています。

愛用者ならではの視点を加え、新たに作っていただいた【別注】籐 3段 奥行きスリムラック。家族の成長や変化する生活スタイルにあわせて用途や場所を変えても馴染んでしっくりくるので、暮らしに長く寄り添う収納道具となってくれます。

華奢なのに丈夫という不思議

素材の籐（ラタン）はヤシ科の植物で、熱帯雨林地域のジャングルに自生する非常に生命力の強い植物です。伸びては倒れ、倒れては伸びるを繰り返し、3～5年で成長します。短期間で生育するといわれており、植林ではなくすべて自然からの恵みの天然素材なのです。

籐の一本一本は直径約3cmほどで華奢に見えますが、木材の4倍にも相当する耐荷重吸収力を持つ素材。適切に使い、大事にすれば何十年も持つと言われる籐製品は、その愛用の年月と重なるように色味を濃くしていく、「育てる暮らしの道具」。

また、草である籐には導管が通っていて、そのために通気性がよく、奥の奥までにおい成分を吸着することができると言われています。木製のタンスなどは、素材によっては長年使うと変なにおいがしてくるものがありますが、その点籐はそういった心配がなく、安心して長くお使いいただけます。