ずっと使いたいモノ、置いてます。

細いラタンを巻く職人技

長野県北部に伝わるかご細工の買物かご。およそ180年前に旅人からその技術が伝えられ、今まで大切に紡がれてきた暮らしの道具です。白い籐の素材を職人が染め、水で柔らかくしたものを木の型に合わせながら早い手さばきで編み上げています。

大きさ、形は3種類。
バスケット型は、お弁当や水筒を入れて野外へのお出かけ、スーパー、近所の八百屋さんにも買い出しに使いたい底面の広さです。ナチュラルな籐のひごは日々使って味わい深めたくなる素材です。
バケツ型は、夏祭りや花火大会、盆踊りの浴衣に合わせたい、少し小さな大きさのカゴです。和装が似合う日本のカゴ細工ですが、どこかナチュラルなのは作り手の方のセンスでしょうか。
小判型はインテリアの収納にも使える大きめサイズです。カゴバッグというと小ぶりなものが多いので荷物が多い方でも嬉しい容量になっています。

職人技が光る

長野のかご細工は、現在ではインドネシアから届いた籐のかごが盛んに作られています。インドネシア産の籐は強度や品質の高さが世界一とも言われるほどで、国の特産品としても有名です。軽量で丈夫としても知られ、たくさん荷物を入れるカバンに最適な素材でもあります。

細い籐のひごを丁寧に巻きつけるようにして完成した形は、手作りならではの温かみと味がある仕上がり。昭和から続く昔ながらの買い物かごを思い起こす少しレトロなデザインは、今となってはどこか新鮮で、持つと日本人の心を落ち着かせる魅力を持ちます。大切に編まれたことがわかる丁寧な仕事にほっと安らぐ籐買物かごです。

持ち手が広く、楽に腕を通すことができることから、文字通りお買い物用かごとしてご愛用いただけます。また、口の大きい出し入れしやすい形は、普段使いのバッグとしてもよいですし、ピクニック用のバッグにもおすすめ。天然の籐ならではの経年変化が楽しめるのも籐買物かごの魅力で、散らかって見えがちな小物を収納するインテリアとしてもぴったりです。

暮らしに根付いた道具を知る

同じ用途でも、異なる素材、異なる形や編み目。日本全国、世界各地のかごから、その地域の特徴や根付いた暮らし、人々の性格までもが垣間見れるようなかご製品は高価な伝統工芸とは異なり、身近な歴史と技術も知る機会にもなります。現代のオートメーション化されて作られる完璧なプラスチックやステンレス製品にはないぬくもりと、どれもが一点もののように素材の個性や手仕事の跡が残ります。素材の採取にも一苦労がかかる天然素材ですので、完成した製品の小さな割れやちぎれ、ねじれなど道具として使用上問題ないものは、手作りのものとして理解いただき手仕事を味わっていただければと思います。