ずっと使いたいモノ、置いてます。

懐かしさ感じるデッキシューズ

細身で美しいシルエット、しなるように足に馴染んでくれる履き心地。120年以上も私たち日本人のために靴を作りつづけたメーカーが手がける昔懐かしいデッキシューズは、暮らしに寄り添うように、優しく足を包み込んでくれる変わらないものづくりの安心感があります。

Asahiが手がける名品デッキシューズ

今回ご紹介するのはAsahi（アサヒ）のデッキシューズ LO12 BLACK。このデッキシューズとはヨットやボートなど船の甲板（デッキ）で使用するためのシューズのこと。甲板で足を滑らすことは海への落下の恐れがあり、命の危険に繋がることから、水に濡れた甲板でも滑らないよう、様々な工夫が凝らされています。ラバーバンドの上は柔らかなゴムになっており、足の形に沿ってその形を変えてくれますし、アウトソールには波型の切れ目が入っているので、地面をしっかり捉えながら、一歩一歩足に吸い付くような履き心地を実現しています。

ブラックなキャンバス地にシュッと伸びたつま先。元々デッキシューズは素足で履くものであったので、素足、ストッキングで履くのはもちろん、靴下をちらりと覗かせても良いですね。ハイカットのスニーカーは適度なホールド感と、動きやすさを持っているので、日常使いに重宝する、そんな存在になってくれそうです。

バルカナイズド製法で作られた

このデッキシューズは1970年代のアメリカ製デッキシューズを元にして1980年代に制作された当時の美しいシェイプを持つ靴型を使用しています。製造は、日本国内の熟練の職人による一環製造。キャンバス地のアッパーに、ゴムのソールを120度近い熱と圧力と加えることで化学反応を起こすバルカナイズド製法を採用しています。このバルカナイズド製法は、靴のアッパーとソールの強度と弾性を格段に上げることができるものの、熟練の職人の手が必要になるため、国内でも限られた工場でしか扱えない、希少な製法なのです。

そんなバルカナイズド製法で作られた丈夫な靴だからこそ、お洗濯が出来るのも嬉しいポイントです。常温〜少し温い位のお湯でじゃぶじゃぶ手洗いしてください。たくさん洗って、たくさん履いて、自分の足に沿うようにくったりしてくることで、より一層愛着を感じる一足になるのです。

日本の靴文化を支えた老舗から

1892年に福岡県久留米市に創業して以来、120年以上に渡り日本の靴文化を支えてきたシューズメーカー、アサヒシューズのシューズブランドが、このAsahi（アサヒ）です。アサヒシューズは、創業者である石橋徳次郎が現在の会社の前身となる仕立物業（縫製業）「志まや」を創業したことに始まり、事業はふたりの息子に引き継がれました。それまでシャツやズボン下に足袋といった種々雑多な商品を作る仕立物業の非効率さを感じた彼らは、1907年に「志まや」の事業を「足袋専業」に変更します。電動機の導入や、綿布からの一貫生産などを取り入れながら会社を大きくしていき自社工場を設立。開発した貼付式地下足袋（足袋にゴム底を着けたもの）が評判を呼び、会社はさらに大きくなります。この生産において、ゴムを仕入れて加工をしていると採算上不利であったため、自社でのゴムからの一貫生産をすることにしました。これが現在の靴の生産へとつながっているのですね。このAsahi（アサヒ）はそんなアサヒシューズが作っているデッキシューズやスリッポンなど男女問わず履いていただける靴をもっと提供したいと考え別ラインとして独立したブランドなのです。