ずっと使いたいモノ、置いてます。

ふっくら柔らか、高貴なタータン

シックなカラーのアウターやニットが多くなる季節、ハッとする様な鮮やかな配色のマフラーが1つあるだけで、いつものコーディネートが新鮮に感じられます。息をのむほど美しい、スコットランドのハイランド地方に広がる雄大な自然からインスピレーションを得て、天然素材と伝統的な技術を組み合わせた生地を生産している、The isle mill（アイル ミル）から、鮮やかなスコティッシュチェックのマフラーをご紹介します。

しなやかでふっくら柔らかな生地

The isle mill（アイル ミル）のマフラーは、柔らかなラムウールを使用しておりふんわりと柔らかく、アレンジもしやすい程よい厚さが嬉しい一枚。ラムウールマフラー DUKE OF FIFE MODは、深いグリーンをベースに黒の帯と、朱色をアクセントにしたハンサムなタータンです。DUKE OF FIFE（ファイフ公爵）とはイギリスの公爵位のこと。第5代ファイフ公爵ジェイムズ・ダフの息子のアレグザンダー・ダフが、1889年にルイーズ王女とバッキンガム宮殿で結婚式を挙げた際に作られた祝いのタータンです。

スコットランドの大自然が育んだ上質な羊毛のみを、一貫して自社工場で紡いで、美しいファブリックに織り上げるThe isle mill。100年以上に渡り、自然の柔らかさを持つ井戸水を使用して彩色を行っていました。この伝統的なカラーを受け継ぎながらも、伝統と最新の技術を組み合わせることで、なんと約300万色にも及ぶ色の一貫性と高品質な糸や染色のレシピを持っているといいます。染色の後には、最新の除湿プラントで乾燥を行っています。

現在、製織工場はキースと呼ばれるスコットランドの高地にある小さな街にあります。工場には最新の織り機が装備されてはいますが、古い織り機も残っており、伝統の技法も受け継がれています。例えば、今回ご紹介しているタータンやツイルなどの平織物の場合は、従来の織り機を使用しているのだとか。全ての生地は少なくとも熟練のチームによって、2回以上手で検査・修正されています。また、倉庫を出る前に少なくとも6回はチェックをされるというから驚きです。最高品質のファブリックの製造業者として、製造工程及び倉庫保管工程の全ての段階において一貫した基準で、最高の品質を目指しています。英国のデパートや老舗紳士服ブランドなどの服地にも使用されていることから、このブランドへの高い信頼が伺えます。

スコットランドの小さな街から

The isle mill（アイル ミル）は、イギリス、スコットランドの首都エジンバラから北西におよそ60キロ離れたバースシャーのレモニーという地域から生まれました。広大な田園風景が広がるこの場所から、もともと農家として働いていた創業者のAlexander Macnaughtonは1783年にウールを糸にするために小さな紡績工場を設立しました。その後、彼の6人の息子の中で2人が事業を引き継ぎ、1835年にはレモニーより北西に位置する、鉄道の便の良いピトロクリーに移転し、アレクサンダーの曾孫、アレクサンダーとジェームズの2人が、毛布や布を扱うA＆J Macnaughtonとして会社を設立しました。

兄弟は、羊毛工場の運営だけではなく、絶えず拡大している地方の人々のニーズに応えるべく店舗を構えることにしました。店舗は工場で製造された商品の販売だけではなく、ハイランド最古のデリカデッセン（デリ）の役割もあったといいます。The isle millの名前が広まるのはそう長くはかかりませんでした。かのビクトリア女王も頻繁に店舗に訪れ、長い移動に備えて絨毯を購入し、愛用していたといいます。その経営は世代を超えて、引き継がれ、二度の対戦を切り抜けたのです。

この様に創業時はわずか4台の織機と少数の地元の労働者から始まった工場ですが、Macnaughton家の経営下で成長を遂げ、そして、1970年代初めにはアバディーンに移転し、扱う柄は伝統的なツイードとタイの布からタータンとスローに多様化しています。