ずっと使いたいモノ、置いてます。

めでたさを重ねる

一年の始まりに家族や親戚、友人たちと囲むおせち調理。蓋を開けて、きちっと詰められた色とりどりの料理を見ると、改めて新年を迎えたという気持ちになります。そんなハレの日を彩る器「重箱」ですが、ほぼ年に一度しか出番がないため、なんだかもったいなくて手を出しにくい存在でもあります。また、オフシーズンに保管場所をとってしまうのも悩みどころですよね。

そんな悩みを解決すべく、角物漆器の産地・福井県の木地屋に依頼して制作したZUTTOオリジナルの二段重箱。一般的に正方形のものが多い重箱ですが、テーブルの上で場所を取らずみんなが手を伸ばしやすい形をと、長方形の重箱が誕生しました。

また漆塗りの重箱というと、その重厚感や高級感というのが魅力ではありますが、普段使いできるかという不安もあって少し敷居が高いかもしれません。その点、このZUTTOオリジナルの二段重箱は美しい国産タモ材を使用した和洋折衷のデザインで、お正月だけではなく日常の食卓や運動会、ピクニックなど様々なシーンで活躍してくれます。

【あわせてご覧ください】
>>よみもの：長方形だから便利。普段でも使いやすい形と塗装で今の暮らしに合う重箱。
>>よみもの：漆器の産地・福井県の木地工房へ、オリジナル重箱製作の裏側を取材。

もっと身近にカジュアルに

ZUTTOが作った二段の重箱。持ってみるととても軽やかで、移動も楽ちんです。蓋には印呂蓋を採用しており、蓋と身の外面が平らでスッキリとした見た目に仕上がりました。また、釘を使わないクサビ付き留め組みで作られており、こうした細部の作りから職人の手仕事を手に取って感じることができます。

仕切り付きなので、綺麗に詰めることができる点もおすすめのポイントです。大きさは2段で3～4人用として作りましたが、1段で使用すると1～2人分のちらし寿司やオードブル、お弁当などにちょうど良いサイズ感です。

使いやすさ重視のZUTTOの重箱の形には、正方形ではなく長方形を選びました。その理由は、テーブルの上で使う場合二段を横並びにすることで、どこに座っていても料理が取りやすく、かつ重箱の手前にお皿が置きやすくなること。そして、外に持ち出しレジャーシートの上で食べる時は縦並びで置くことでほぼ正方形になり複数人で囲みやすい形に。置き方を固定せず、使いやすいように置き方を変えながらお使いいただける形です。また、正方形の重箱というとサイズが大きく入れられるバッグが少ないという難点がありますが、長方形という形は手持ちのバッグにも入れやすく、運動会やピクニックにも気軽に持っていくことができます。

素材には、明るくナチュラルな木目が綺麗な国産（北海道産）タモ材を採用。硬く丈夫な素材として知られており、その均質な木目の美しさが魅力的です。また、シミや黒ずみを防ぐウレタン塗装が施されているのでお手入れも簡単で、木の風合いを大切にしながら、使い勝手の良さを追求した重箱となっています。

漆器の産地、福井県から

眼鏡、繊維の産地として知られる福井県鯖江市ですが、漆器の一大生産地としても有名です。製作を依頼した井上徳木工も鯖江市にある工房のひとつで、伝統工芸である越前漆器のベースとなる重箱やお弁当箱、お盆などの木製品を製作している木地屋です。木取り→部材加工→組立て→仕上げと4つの工程を経て作られる角物ですが、そのどの工程においても職人の熟練の技が必要となります。特に井上徳木工では留め継ぎ（45度などで組み合わせ）加工を得意としており、今回の重箱もクサビ付き留め継ぎで作られています。この加工により木の小口が見えず、360度どこから見ても美しい仕上がりとなっています。

昔から伝わる日用品は、暮らしの様式が変化していくにつれ少しずつ影を潜めていくことが多いですが、現代のライフスタイルに寄り添い末永く使えるものへとリデザインすることで継承できるものでもあります。伝統的な形や技術を受け継ぎつつ、そこに新たなアイデアや技術をプラスすることで世代を越えて愛されるものにしたい。そんな思いを込めて誕生したのがZUTTOのオリジナルの重箱です。重箱をもっと身近にカジュアルに愛用していただけますように。