ずっと使いたいモノ、置いてます。

物語の世界から飛び出して

クリスマスといえば、煌びやかなツリーにプレゼント。日本でも12月になると各地でイルミネーションが点灯し一気にクリスマスムードですが、ドイツの山岳地帯のエルツ地方では、この地域ならではのクリスマスマーケットが開かれているのをご存知でしょうか。
この地方は、森に豊富にある木を利用しての手工業によって生み出された木のおもちゃを昔からつくっている地域で、今もなお職人がつくる手作りのおもちゃが人々に愛されています。職人が作る手作りのおもちゃには繊細さと温かみがあって、それらがクリスマスを彩ります。

毎年ツリーを買い換えて置き場所を確保したり、間に合わせのツリーを飾ったりするのではなく、年中飾っても違和感のないこちらもまたクリスマス装飾としても長く楽しめるためおすすめです。物語の世界から飛び出してきたかのような豊かな表情と素朴な質感が、クリスマスのお部屋にぬくもりを運びます。

魔法を届ける

ドイツ・エルツ地方の伝統工芸が生み出す、くるみ割り人形。菩提樹やブナなどの上質な木材を使用し、熟練の職人が一つ一つ丁寧に手作りしています。後ろのレバーを動かすと口が開き、まるで生きているかのような仕掛けも特徴的です。

くるみ割り人形は、くるみを割るための道具でもありましたが、多くの人がクリスマスの絵本や舞台で知っているおもちゃでもあります。「くるみ割り人形とねずみの王さま」のお話は特に有名で、このお話には、いろんなおもちゃやお菓子の家が登場します。子どもなら一度は憧れた夢の世界ではないでしょうか。

可愛らしい雰囲気に反して表情がどこか硬いのは、昔は貴族たちが一般の人々のためにくるみを割るように働かなければならなかったからだとか。その歴史背景から人形は貴族の格好をしていることが多いのだそうで、そんな歴史の深さと技術、こだわりを感じさせる、ドイツらしさも感じさせられる人形です。

本来のくるみ割り人形は口にくるみを入れて割ることができるのですが、こちらは日本の硬いくるみなどを割ることはできないのでご注意ください。

道具でありおもちゃでもあるくるみ割り人形は、クリスマスシーズンだけでなく、一年中飾っても味わい深いインテリア。ノスタルジックな雰囲気と精巧な職人技が魅力な、大人も子どもももらって嬉しいプレゼントになります。

親から子へ、大切にする存在

Christian Ulbricht（クリスティアン ウルブリヒ）は1928年設立のドイツのおもちゃ工房。山岳地帯のエルツ地方は、森に豊富にある木を利用して、手工業によって生み出された木のおもちゃを昔からつくっているところです。

ドイツでは家具職人がその技術で子どものために遊び道具をつくったり、布切れで人形を作ったというおもちゃ自体がドイツが発祥と言われています。ウルブリヒト家も80年に渡って木製工芸品をつくってきましたが、もともとは、代々鉱夫としての生活だったそうです。鉱山業が厳しくなってきたときに鉱山に用いた様々な道具を改良して使い、菩提樹やブナなどの木を使った手工芸のおもちゃを生産したのが始まりです。

機械化の進む現代ですが、職人が作るおもちゃには繊細さと温かみがあることから、ドイツでは職人手作りのおもちゃが愛されています。子どものためのおもちゃというよりも、家族みんなで大切にする存在なのだそうで、想像力を掻き立て、空想の世界へと連れていってくれるような魔法のような魅力もまた、愛されている理由です。