寒い風が吹くようになると着るものも一枚増え、コートが登場し、いよいよマフラーや手袋などの小物類も駆使する季節になってきました。手が冷気にさらされると、暖かい室内に入ってからもかじかんだ状態が続き、書きものをしたりスマホやパソコン操作などが思うようにいかなくなってしまうもの。
外を歩く姿勢をとっても、背中を丸めてコートのポケットに手を入れて歩くよりも手袋をして背筋を伸ばし、颯爽と歩く姿のほうが素敵ですね。
ご紹介するのは、日本最古の手袋メーカー、福田手袋が手掛けるブランドlapero(ラペロ)。その手袋は、職人の技術力を持って完成する、手に沿う美しいフォルムが特徴です。
lapero(ラペロ)の手袋が生まれるのは香川県東かがわ市。東かがわ市は1880年代から続く国内手袋の一大産地で、世界でも屈指の規模で手袋が作られています。手袋と言っても私達が想像する、一般的なファッション用のみならず、スポーツ・フォーマル・作業用のものまで幅広く手掛ける産地なのです。
裏を返せば、それだけの技術がこの地に蓄積されているということで、lapero(ラペロ)を手掛ける福田手袋もこの地で手袋の技術を磨き続けて100年以上です。
国内外ブランドの製造を請け負ってきた福田手袋がファクトリーブランドであるlapero(ラペロ)を立ち上げたのは2009年のこと。長年手袋に携わってきた自分たちが良いと思う手袋を作るためにも、他社ブランドの製品ばかりを作り続けてはそれは実現出来ない、という想いからだったそう。
企画、デザイン、製造。一貫した品質管理を行い、日本で作ることの意義を問いながら日々手袋に向き合います。
lapero(ラペロ)の手袋が重視しているのは「つけ心地」と「ファッション性」。ぼってりと厚みのある手袋は見た目にもエレガントでないだけでなく、手袋の中で指が開いた状態になるので違和感があったり、手袋をはめたままで物を上手く持つことが出来なかったり、とつけ心地とファッション性両方に難があります。
lapero(ラペロ)の手袋がその2つをクリアしているのは、「2mmの縫い代」のおかげ。手袋のパーツを縫う際に必要な縫い代ですが、lapero(ラペロ)では熟練の職人の手で2mmの縫い代を正確均一に縫う技術を持っています。縫い代が大きいと手袋内でごわつき、逆に縫い代が小さいとホツレの原因になるためそのギリギリを判別し縫い合わせているのです。
また、縫い代が小さいとそれだけ指のパーツもすっきりとするので、手を入れた時のスラッと美しいフォルムが生まれるという訳です。
手袋作りの難しさは?という問いには、「指先部分の曲線縫い」「左右対称に縫い上げること」というお答えが。やはり手袋のつくりの良さ(フィット感)を左右するのは縫製で、その作業を信頼を持って任せることの出来る職人さん達が福田手袋の財産なのだということが伝わってきます。
人が切って、縫って、そして人が手を入れる。lapero(ラペロ)の手袋は正に人の手を介し、大切に届けられているのです。
自分に合ったサイズは?
一般的に、手袋は「少し小さめ」を選ぶといいと言われていますが、その理由は使っていくうちに徐々に伸びるため。革はもちろん、lapero(ラペロ)のようなウールやカシミヤ素材でも、愛用するうちに伸びるので、最初は少しきつめのほうが、長く愛用することを考えた時、また指をスラッと綺麗に見せるためにも良いのだとか。
lapero(ラペロ)サイズ詳細
手袋のサイズ選びのポイントは、「手囲い」と「手長(長さ)」です。「手囲い」とは、掌を一周測ったサイズのことで、「手長(長さ)」とは、手首の付け根にあるシワから、中指の先までの長さのこと。日本ではJIS(日本工業規格)により素材別でサイズが定められています。
▼手囲い寸法の参考に
lapero(ラペロ)は、ZUTTOがご紹介している手袋全て手囲い19〜20cmで、サイズ記号にすると「Mサイズ」にあたります。lapero(ラペロ)の商品ページでは、「手囲い」と「手長」の他に、各指の長さもご紹介していますので、参考にしてくださいね。
・寒さ対策とファッション性の両立
コートの袖口から入り込む冬の冷たい風はなるべくシャットアウトしたいものですが、手袋の口が広いとコートの中でもたつきがち。その点、全体的にスラッとすっきりとしたフォルムの手袋なので安心です。
親指と人差し指の先端刺繍は、スマホなどを操作可能にする、タッチスクリーン対応の仕様です。手袋を外すことなく、調べ物をしたりメールのチェックが出来ます。
・カジュアルな雰囲気のボアタイプ
モコモコした所から覗く指先が愛らしく、ほっこりとした冬のスタイルを演出してくれるlapero(ラペロ)の女性用ボア指なし手袋。
・アウターを選ばないCAMEL
ころんとしたクルミボタンが愛らしく、指の間に見え隠れするツートンカラーが素敵です。手首の折り返し部分にちらりと見えるステッチやパイピングもまた、さり気ないおしゃれですね。このStandardシリーズはカラーバリエーションが豊富で、どの色にするか選ぶのも楽しみです。
手首が隠れるほどの長さで、着脱しやすく寒さ対策も出来る、という万能タイプです。
・カシミヤ100%のなめらかさ
カシミヤ100%の上品な手袋。内側のライナーはシルク生地になっていて、手を入れてみるとスルッと気持ちよく乾燥する手を優しく包みます。
着用後は小まめにブラッシング
lapero(ラペロ)の手袋はウールやカシミヤ素材。手袋は、バッグを持ったり、自転車のハンドルをつかんだりと、摩擦にさらされることが多いアイテムです。ウールやカシミヤは摩擦によって毛玉になりやすいため、着用後のケアが大切です。
1日使った手袋は形を整え、テーブルの上など平らな場所でブラッシングをしてください。ついつい掌や甲部分など、面積が広い部分ばかり気になりますが、忘れてはならないのは、指と指の間のブラッシング。手を動かすと指の間もこすれ摩擦が生じるので、ここにも毛玉が出来ることがあるのです。
その際、ボタンやファーなど装飾部分はブラッシングしないようにご注意ください。
仕上げに、FABRIC SPRAYを一吹きすれば次に使う時にすっきりとした気持ちで手を入れられますね。
1日使ったら休ませる
毎日同じものを使わず、2双以上の手袋を交互に使うようにします。手袋を1日使用すると摩擦により毛の流れが乱れていることと、手を入れていたことで手袋自体の形が変わっているので、休ませて落ち着かせると綺麗な状態で長く使うことが出来ます。
シーズン後にはドライクリーニング
lapero(ラペロ)の手袋は素材の性質上、摩擦や水などにより色落ちする場合がありますので、ご自宅での水洗いは避けてください。シーズンの終わりには、クリーニング店にご相談の上ドライクリーニングを。内側の手の汗や皮脂がそのままだと色あせの原因にもなるので、綺麗にした状態で次のシーズンまで保管してくださいね。
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手袋の本来の役割とは、私達の手を寒さや危険から守ること。ですがそれだけでなく、ファッションアイテムとしてその日のコーディネートの仕上げとなるようなものではないかと思うのです。
例えば冬の日、家の中でコートを着てマフラーを巻き靴を履く。バッグを持ち、最後に手袋をきゅっとはめて外へ出る。そんな、寒さへの覚悟のような、お守りのような存在であれたら素敵です。
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