ずっと使いたいモノ、置いてます。

手提に希望を織り込んで

何を入れて出かけようかと、その日の持ち物を選びも楽しくさせるような笹編み 手提。程よく透けるその編み地からも想像できるように、笹と和紙の糸で編まれた手提はさらっと軽やかな質感です。岩手で暮らす女性たちが一つ一つ丁寧に手編みをした素朴な手提げは、どこかほっとするような温かみを感じさせます。

多機能な天然素材

くま笹を漉き込んだ和紙を糸にして編み上げた笹編み 手提。くま笹は、雪の中でも枯れずに耐え抜くほど生命力の強い植物で、特に標高の高い山で育ったものは質が良く漢方の原料としても使われています。さらに抗菌や防臭効果もある多機能な素材で、さらさらした感触と素朴な風合いが魅力です。

笹編み 手提は、トート型と巾着型の二つご用意しました。巾着型は細かく編まれ、中身も見えにくく丈夫。これだけでお出かけするのももちろん、ポーチとしても使用できます。トート型は編み目模様から中に入れているものが透けて見えることと、素材特性からキッチンでフックなどにかけて野菜や雑貨類の保管に使ったり、春夏はカラフルなハンカチやお気に入りのアイテムを入れて持ち歩きたくなります。バッグの底の部分は、編み目が細かくなっているので鍵のような小物が底から出てくる心配もありません。くったりと軽やかな質感なので、春夏は浴衣や着物と合わせて、秋冬はインナーバッグなどに小物を入れて持ち歩くのがおすすめです。A4サイズのノートを入れたい方やたくさん荷物を入れたい方は大を、お財布やスマホなどミニマルに持ち運びたい方は小をお選びください。東北の地で一つ一つ大切に編まれた手提は、心のこもった贈り物にもぴったりです。

東北の希望を編み込んで

笹編み 手提は、自然豊かな岩手県遠野市に拠点を置き活動する東北クロッシェが製作しているカゴバッグです。東北地方の中でも岩手県は、広大な農地と変化のある気候で農業資源が豊富な土地。農業に従事する昔からの家庭には、長く大事に使われてきた手作りの道具がたくさんあり、天然素材のカゴも多く目にします。寒い冬を過ごすためににニットを編む家庭も多く、その土地に住む女性たちは編み物に関しては自然と得意な方が多いようです。
東北クロッシェの始まりは2011年の大震災直後。岩手県東部に暮らす女性たちの集まりで行われた編み物講習がきっかけでした。始まった集まりはやがてみんなの生きる希望となり、編み物をすることが心の拠り所となりました。集まるうちに彼女たちの技術はプロの編み手と呼ばれるほど成長し、その技術を広めるために誕生した東北クロッシェ。国内の編みもの需要と編み手をつなぎ、東北クロッシェメイドのニット商品の制作販売を行うことで、東北の元気を世界に届けることを目指しています。

暮らしに根付いた道具を知る

同じ用途でも、異なる素材、異なる形や編み目。日本全国、世界各地のかごから、その地域の特徴や根付いた暮らし、人々の性格までもが垣間見れるようなかご製品は高価な伝統工芸とは異なり、身近な歴史と技術も知る機会にもなります。現代のオートメーション化されて作られる完璧なプラスチックやステンレス製品にはないぬくもりと、どれもが一点もののように素材の個性や手仕事の跡が残ります。素材の採取にも一苦労がかかる天然素材ですので、完成した製品の小さな割れやちぎれ、ねじれなど道具として使用上問題ないものは、手作りのものとして理解いただき手仕事を味わっていただければと思います。

江戸時代の頃から武家の内職でかごやざる作りが始まったと言われている宮城の竹細工は、地域に自生していた篠竹を暮らしの道具や業務用に作られてきましたが、現在その職人さんもわずかとなっている貴重なものづくり。プラスチック製品にない、使い続ける楽しみや職人や環境についても知る機会となれば、そこに関わる人たちも嬉しいものです。