ずっと使いたいモノ、置いてます。

季節に沿う、かたち

季節の変わり目は、ショーウィンドーに並ぶ服を目にしながら、次の季節を待ち遠しく思いますね。そんな季節の変わり目の防寒アイテムというポジションなら、ストールが思い浮かびます。何本か持っているとお洒落の幅が広がるけれど、巻き方のバリエーションを作るのは難しく、つい通り一辺倒の巻き方を繰り返しがちという悩みもつきもの。

次の季節に向かう気持ちに寄り添い、「今」巻きたいと思えるストールを作りたい。せっかくなら、長いシーズンで使えるもの。そんな想いでストールを形にしたら、肌心地の良いユニークな形のコットンストールが誕生しました。

身につける人に寄り添う形とは

ストールといえば長方形のシンプルな一枚布の形が一般的ですが、そのシンプルさゆえに、巻き方はもちろん、巻いた時の肌触りや温もりの感じ方もワンパターンになりがち。だからこそ、素材違い、色違い、サイズ違いなど、何枚ものストールが欲しくなってしまう訳なのですが、ここから、一つのストールで2種3種と形を変えて実用性、ファッション性ともにバリエーションを楽しめものを作れないだろうかというアイディアが生まれました。そこで出会ったのが、サイズ違いで筒状のストールを2枚重ねるというデザインです。

■2月、まだまだ北風が寒い冬の終わり
まだまだロングコートに手袋が手放せないという冬の終わりには、2枚重ねた状態で首回りにくるくると巻いて。生地自体は滑らかで薄いのですが、筒状のストールを2枚重ねる＝生地が4枚分重なった状態になるので、ふんわりと空気の層ができて心地良い温もりを感じることが出来ます。

■3-4月、春先の差し色に
重なった2枚は、それぞれ別々のストールとして使うことも出来ます。1枚で使うと、スプリングコートに合わせるのにちょうど良い、すっきりとしたボリュームに。例えば白シャツにカーディガンというシンプルな装いに「マスタード」を差し色として使ったり、ざっくりニット+デニムというカジュアルなコーディネートに「カーキ」1色で落ち着いた雰囲気にまとめたりと、お洋服に合わせてお使い頂けます。

■5月から初夏にかけて
この時期になると、日よけや冷房対策としての機能が期待されるストール。筒状のストールは、輪の部分を首にかけると実はスヌードのようにも使える優れもの。首回りにゆったり這わせても良いですし、肩まで覆えばオフィスや車内での冷房対策にもぴったり。

■夏の終わりから冬に向けて
だんだんと涼しく感じる日が増えてくる夏の終わりから、爽やかに身に付けられるのも、コットンコンビストールの魅力。まずはさらっと一巻きで、徐々に寒さを感じてきたらぐるぐると巻いてボリュームを出して。

ゆっくり編み上げた、柔らかな肌触り

2枚のストールには、それぞれカットソー素材・ニット素材という微妙に異なる生地を採用。カットソー素材には、「ヴィンテージ天竺」と呼ばれる素材を採用。昔ながらの生産スピードでゆっくり紡績し、細やかな機械調整によって作り出した糸を低速編機にかけ、丁寧に生み出された生地です。現在主流のコンピューターで強制的に作り出したムラではなく、しっくりと肌に馴染む自然な風合いを重視しました。

また、ニット部分は上質なコットンを使用し、長時間かけて丁寧に編み上げた「吊天竺」を使用。表面がさらっとした光沢のある糸を旧式の編み機にかけてゆっくりと編み上げていくのですが、近年では現存する吊機自体が非常に少なく、よってその編み機によって製造される生地も希少性が高くなります。編み機が梁に吊り下げられていることが「吊」の由来となっており、1時間に編み立てられるのはわずか1mほど。生産効率が低い分、糸に過度のストレスがかからず、リラックスした状態で空気を含みながら編み立てていきます。洗い込むほどに実感できる柔らかさ、温もりは、この吊天竺ならではのアイデンティティと言えます。