Health=健康的な
knit=ニットウェア
というブランド名からも分かるように、Healthknit(ヘルスニット)は人が着て気持ちがいい、居心地がいい、安心出来る、という「健康」をニットウェアを通じて実現しています。ニットウェアといっても冬に着るウールなどのニット、ということではありません。Tシャツは編み物でニットですから。
Healthknit(ヘルスニット)が生まれたのは、西部開拓時代が終焉を迎えた1900年のアメリカ、テネシー州。もともとは働く男たちの肌着や下着などを製造し、やがてはアメリカンベーシックニットウェアのパイオニア的存在となっていきました。
綿花産業の集散地として成長を続けていたミシシッピ川に面し、良質な綿素材供給という好条件に加え、紡績、ソーイングまでの一貫した生産管理によってその品質の高さはアメリカ中に知られることになったのです。現在では製品企画をアメリカで行い製造は中国に移っていますが、中には日本が企画を行い国内で製造しているものもあります。
着心地の良さには様々な要因がありますが、Healthknit(ヘルスニット)のTシャツやカットソーを見ていると「違和感を取り除くこと」なのではないかと感じます。
ブランドのアイコンとなっているのは4本針縫いのフラットシーム。平面の生地をTシャツに仕立てる時、どうしてもどこかしらに生地と生地を縫い合わせた縫い代が表れます。この縫い目は処理の仕方によってボコッと存在感が出て、主に脇や腕周りの肌の弱い部分に当たることで違和感を覚えるのです。
左:一般的な縫い代 右:4本針縫いフラットシーム
4本針縫いのフラットシームは、縫い目がボコッと出ないよう極限まで縫い代を薄くする手法で、通常の縫い代処理との差は一目瞭然。縫い目が平らに仕上がるので縫い目の跡が素肌に付きにくく、刺激の少ないソフトで自然な着心地を味わえます。薄着で過ごす夏は特に、素肌に違和感を与えないので気にせず快適。フラットシームは通常のニットカットソーの縫製仕様である2本針や3本針の縫製よりも多くの時間がかかり、生産性は劣りますが、そこに着る人のことを考えたHealthknit(ヘルスニット)の精神が現れている気がするのです。
そんな特徴を持つHealthknit(ヘルスニット)、この夏おすすめの生地違いTシャツ3種類をご紹介します。
ワッフルシリーズはZUTTOの別注として、メンズサイズをレディースサイズに変えてもらったものです。ワッフル編みとは生地全体に細かな凹凸が生まれる編み方で、まるでお菓子のワッフル生地に見えることからそう呼ばれています。この凹凸があることで着た時に肌と生地がぺたっと貼りつかず、汗をかく夏でも不快感が少ないのです。
デザインは定番のクルーネックと、首元が少し立ち上がったモックネックの2デザイン。
モックネックはやはりクルーネックに比べるときちんとした印象があるので、まるでサマーニットのように綺麗目に着ることが出来ます。暑い中我慢して襟付きのシャツを着なくても、ある程度のきちんと感を出しながらも過ごしやすい点がおすすめポイントです。
実際に着てみると、「バランスのいいTシャツ」という感想です。カジュアルにも着られるし、スカートに合わせて裾を入れればディナーにも行かれそう。合わせるボトムスと小物次第で印象が大きく変わるのが面白いところでもあり、頼もしいところでもありますね。
サイズ表記は「WOMEN’S Mサイズ」です。
伸縮性を高めるためのリブ編みが、ストライプ柄になって表情をつくっているこちらの一枚。この「ブロードリブ クルーネックショートスリーブ」は、1940年代のヴィンテージアンダーウェアをベースにした、特殊な針抜きフライス生地を採用しています。
針抜きフライス生地とは、リブを形成するために編み間で針を抜く作業を経て出来上がる生地のことで、抜いた針の部分がリブやストライプの柄として表れます。この場合の特殊、とは表裏の両面に針抜きを行うことでより伸縮性を高めていることです。
平置きした状態で測ると身幅は38cmと小さいのですが、着てみるとよく伸び、かつ締め付けも感じません。(サイズ表記はXSですが、よく伸びるので通常S-Mのスタッフが着ても問題のないサイズでした。)
こうした、一見すると単なるデザインのように見えることでも実は着る上で大事な、着心地という機能性に直結していることを知ると、信頼感や安心感が増しますね。
フィット感のあるTシャツで気になるのは縫い目の場所や処理。肌が敏感でない方でも、出来るだけ肌に当たるのは避けたいところですが、そこはHealthknit(ヘルスニット)。この「ブロードリブ クルーネックショートスリーブ」は皮膚の薄い脇ではなく背中に縫い目を持ってきています。かつ、先にご紹介した4本針フラットシームで仕上げられ、ストレスのない快適な着心地ですよ。
※タグに書かれている"ELASTIC KNIT TO FIT”とは、「フィットする、伸縮性のあるニット」という意味。
一般的にイメージする「Tシャツ」という言葉が一番似合うのはこちら。生地表面にはブラッシングしたような凹凸があり、どこかの古着屋さんでひっそりと売られているような一枚です。袖の長さも相まってどことなくクラシカルな雰囲気。
比較的厚みでハリがあり、夏に一枚で着ても透けないのは嬉しいところ。シンプルな無地Tなのでブラッシュジャージーの素材感を存分に楽しめます。
着てみると、ドライ感のある生地の凹凸が腕にシャリッと当たり気持ちいいくらい。でも表面と違い内側はフラットな生地なので素肌に着ても違和感ないですよ。
ZUTTOでは1サイズのみのご紹介で、タグのサイズ表記はS(36-38)です。少しオーバーサイズ気味なのでメンズライクに着るのも新鮮です。
それぞれの特徴を理解したところで、どのように違うのか、自分が好きなタイプのTシャツに近いものはどれなのかを探っていきます。
生地は3種類どれも全く異なっています。
ドライ感があり、さらっと肌に張り付かないのはブラッシュジャージーとワッフル。
逆にしっとりと柔らかく肌に優しい印象なのはブロードリブです。生地の見た目からも、着た時の印象というのは大分変わるようで、カジュアル・上品度合いでいうと
↑カジュアル
1.ブラッシュジャージー
2.ワッフル
3.ブロードリブ
↓上品
という結果になります。
※モデル身長158cm
Healthknit(ヘルスニット)のTシャツはどれも少し着丈が長めです。腕を上げた時にお腹が見えない、かがんだ時に腰が見えない、というのは安心すべき点。加えて、十分な長さがあるのでボトムスにインした時にも気が付いたら一部だけ裾が出ていた!という心配も少ないですね。
フィット感のあるブロードリブとワッフルは腰まわりでくしゅっとさせると留まるので、裾を出すにしてもだらしない印象はありませんのでご心配なく。
フィット感ですが、ブローブリブは伸縮性が高いので細身に出来ていて、比較的体に沿う生地です。しっとりとした様子も相まって上品なTシャツという印象を与えてくれるので、大人らしいカジュアルスタイルにぴったりです。裾の曲線もデザインが効いています。
一方ブラッシュジャージーは身幅が最もあり、体のラインを拾いにくい一枚。汗をかいている時の脱ぎ着も楽で、夏のアウトドアやフェスに向いていますよ。
ワッフルはその中間といったところ。モックネックタイプも、クルーネックタイプも絶妙な付かず離れず感で、首回りはフィットして上品だけれど、お腹や背中回りはゆとりがあります。バランスの良さで使いやすい一枚と言えますね。
三者三様の特徴と着心地を持ち、それぞれに合うシーンや服装も異なりそう。休日に着るならこの一枚、カジュアル通勤の日はこの一枚、など複数を使い分けるのも良さそうです。共通しているのはHealthknit(ヘルスニット)という、人が快適に安心して着られるためのウェアを長きに渡って開発しているブランドのフィロソフィーが編みこまれていることですね。
▼Healthknit(ヘルスニット)のTシャツ一覧はこちら。