冬に恋しくなるのは、季節感たっぷりのもこもこニット。お気に入りのニットのセーターをクローゼットから出すときに感じる、なんだか懐かしいような嬉しい気持ち。「そうそう、君がいたね」と、古い友達に再会したような気分になります。
そんな長い付き合いに選ぶのは、安心して着ていられるもの。時とともに愛着が増していく、天然由来繊維を。厚手のハンドメイドセーターも素敵ですが、モヘアやシャギーのニットは驚くほど軽いのにしっかり暖かく、寒い時期の味方になってくれます。
今回取り上げるのは、モヘアとシャギーという、寒い冬を過ごす地域で愛されている素材。丈夫に作られているから、すぐにヘタってしまわないのもギフトに選びたいポイント。大切に扱って、来年も再来年も長く愛用して欲しいから、お手入れグッズと一緒に贈っても素敵です。
まずはこちら、シャギーセーターの発祥といえるShetland-woollen-co(シェトランドウーレン)。贈り物におすすめしたい理由は、こんなものがあります。
贈り物に選ぶなら、見た目だけではなくニットの本場イギリス製であることや、ブランドの歴史も知った上で選びたいもの。その点、このShetland-woollen-coは、糸から製法にまで昔ながらの手間のかかる製法を取り入れ続けているところは魅力的です。
例えば、このセーターは効率の良いホールガーメント製法のニットではなく、パーツごとに編んで、それをリンキングでつなげていくという昔ながらの手間のかかる製法を続けています。継ぎ目のないシームレスなニットになるので、脇部分の編みが甘くならず、つなぎ目部分の強度も高くなるので、丈夫に使えるのが特徴です。
肩の部分に凹凸がないので、着膨れして見えにくいのが嬉しい
また、贈り物にふさわしい、鮮やかな発色も見逃せません。
ミックスしたような色合いがたまらない
糸は1798年から続くスコットランドの紡績工場 J.C.RennieのSupersoft Shetlandの糸を使用しています。昔ながらの技術で紡績を行い、弾力があってソフトな肌触りの生地を製造している工場は、世界各国のブランドに素材提供を行っている高い技術と深い信頼のある工場です。
そして、シャギードッグの起毛にも特徴があります。
一般的に、シャギードッグの起毛はアザミ(スコットランドの国花)の実での1〜2回の起毛作業を行うことが多いですが、Shetland-woollen-coではその倍の3〜4回起毛作業を行っています。起毛することによって、シャギードッグならではの雰囲気が出るのはもちろん、ふわふわした空間で保温性を高める空気層が作られること、また防水性が高まることもあり、雪や雨が多い地域でもより一層暖かく着ることができます。
飽きのこないシンプルなスタイルのセーターは、ユニセックスで着ていただけます。また、軽くて柔らかなタッチが心地良いだけでなく、耐久性に優れていますので、長く愛用したい定番の一着になるはず。
シャギーのこと
気象条件が厳しく、過酷な自然環境のシェットランド諸島に住む人々が、自らの生命を守るため、古くから愛用してきたのがシェットランドセーター。アザミの花の棘を使って、掻いて空気層を作るというニットの表面加工の技法で、ニットの本場・シェトランド諸島で生まれた防寒防水のための名作ニット。本場シェトランドでも年々、製造できるファクトリーが減少しているシャギーセーターは、持っておきたい一枚です。
シャギードッグのふわふわと優しい雰囲気と、防寒のために掻き出し生まれたという空気の層は、ただ可愛いだけでないきちんとセーターというものの役割を果たします。安価なものではありませんが、その暖かさとふわふわ感、ものづくりの魅力は他と比較する必要がない価値を感じます。
ふわふわのモヘアを楽しめる、Cushendale(カシュヘンデール)のマフラー。癒しの手触りのCushendaleのマフラーを贈り物にしたい理由はこちら。
マフラーは冬の贈り物の筆頭。チェックや無地のマフラーもいいですが、定番アイテムではなく、贈る相手の「新定番」になるのがこのモヘアマフラー。ふんわりした肌触りで、淡く美しい色合いが魅力的です。
アイルランド政府のカーペットの染色を担当した経歴もあるウール専業のテキスタイルメーカーが作っているので、他にはない淡くて優しい独特な色合いが魅力。おしゃれなパートナーや友人、家族に、新しい冬の定番になってくれるようなマフラーです。秋冬の暗くなりがちなコーディネートにぱっと優しい明るさを添えてくれて、どんなコーディネートにもしっくり馴染んでくれます。
Cushendaleの始まりは、1778年にパトリック・クシェン氏が羊毛毛布の製品に仕上げる工場を立ち上げたのがきっかけ。アイルランド有数の清流であるDUISKE川の水を利用し、羊毛を染色から製品の仕上げ、品質のチェックまで全工程を自社工場で手がける、数少ない一貫生産の老舗ウールメーカーです。
ファクトリーは昔の修道院の建物を再利用していて、全ての作業がその中で完結します。入り口に刈り取った羊の原毛が運び込まれて、建物の出口からは美しい色合いのラグやストールが運び出されるので、まるで「魔法の箱」のような工場だとも言われます。Cushendaleは、羊たちを始め、自然や動物のおかげで自分たちが生きている、という考えを大切にし、売れるから羊を増やすという考え方はしません。製造も受注分のみしか生産しない、建物や動物、素材を大切にするサステナブルなブランドなのです。
様々なカラーと定番の形が揃っていて、ファンも多いHarley of Scotlandのセーター。使い勝手の良いニットの形に、モヘアを合わせたセーターはいかがでしょうか。
Harley of Scotlandは、美しい発色が魅力な良質で伝統的なシェットランドとフェアアイルニットを作り続ける老舗ブランドです。設立当初からホールガーメントを採用し、現在も稼働している数少ないニットメーカーで、ランドの代名詞ともいえるフルファッション製法のセーターは、シームレスニッティング(輪編み)でボディとアームも縫い目が無いため、着用した時のごわつきが無く快適な着心地を叶えてくれます。着ていることを忘れるほどの軽さも特徴的です。
自宅でのお洗濯も可能で、無地のアイテムでも一枚で主役のような華やかさがあります。
気の利いた贈り物にしたい方は、セーターのお手入れアイテムを一緒にプレゼントするのはいかがでしょう。まずはそれぞれの特徴から。
Shetland woollen coのシャギーセーターの特徴:
・断熱性が高く、暖かい
・吸湿性に優れる
・弾力に優れてシワになりにくい
・水に濡れると縮む
Shetland woollen coのシャギーセーターの基本のお手入れ:
着用したらその日のうちに軽く洋服ブラシをかけるようにします。ホコリや汚れなど表面の汚れを落としてください。シャギーセーターは起毛しているので、通常のウールセーターのように表面の流れを整えるということは難しいですが、バッグをかけていたり、コートなどで摩擦があった場所は軽く流れを整えるようにブラッシングしてあげると良いでしょう。
モヘアのマフラーやセーターの特徴:
・繊細で非常に柔らかい
・弾力性、保温性に優れている
・毛足が長く、抜けやすい
・静電気が起きやすい
モヘアのマフラーやセーターのお手入れ:
基本的なお手入れはウールやカシミアと共通ですが、特にモヘアは「毛抜け」に注意する必要があります。
繊維がふわふわとしていて極上の肌触りを生み出すのですが、生地自体はとても繊細なため、糸が抜けやすいという弱点があります。セーターやマフラーを着脱する際は爪やアクセサリーに引っ掛けないように注意しましょう。また、柔らかい毛ほど静電気が起きやすくなります。静電気も毛が抜けやすくなる原因となりますので、動物性繊維にも使用出来る静電気防止スプレーを使用すると繊維が落ち着き、長持ちします。
贈り物に、洋服ブラシ
洋服ブラシにも様々な種類がありますが、選ぶコツは
という3点。
ブラシ1本で大切な衣類の寿命が変わるので、クローゼットに1本常備したい洋服ブラシ。一つ持っている方でも、コンパクトな持ち手なしのブラシを贈り物に選ぶと、スーツケースやオフィスのロッカーに常備しておけて、贈り物におすすめです。