暮らしにおいてミニマムであることが良しとされ、バッグやカバンがどんどん小さくなっていることに戸惑いを隠せないこともしばしば。それでも、みんながカバンを小さくしているのだから、私も今のバッグの中身を断捨離してもっと減らせるのでは?と考えてしまいますよね。今回は、身軽で小粋なサコッシュバッグをご紹介。そのファッション性だけでなく、暮らしのストレスが軽減される機能性も注目です。
身軽な印象のサコッシュバッグ。その【サコッシュ】の語源はフランス語の【sacoche】で、鞄や袋を意味します。もともと自転車レースで水分や簡単な食料を受け渡す際に使われた小ぶりの薄いバッグが始まりです。
フランスというと世界最大の自転車の祭典、ツール・ド・フランスが行われることもあり、W杯やオリンピックなどに匹敵するほど国を挙げた自転車大国。ツール・ド・フランスはフランス語で「フランス一周」、選手は約3週間かけて国内を巡り、日本でいうと本州を一周するほどの距離を走破します。コースにはアルプスの険しい山岳地帯も含まれ、例年超人的な選手によるドラマが繰り広げられます。
そんな、命を削るようなレースの最中に使われるのがサコッシュバッグ。ドリンクボトルや栄養補助スナック、栄養補給ジェル、バナナなど、水と素早くエネルギーに変えられる甘いものが入っています。必要最低限の収納量と中身の取り出しやすさを重視した簡易的な作りです。無駄のない機能性やデザイン性により、アウトドアメーカーが機能的でファッション性の高いアイテムとして一般に販売。それからというもの、街歩き用の身軽なバッグとして人気が出ているのです。
よく歩く日には、日焼け止めやリップなどの小物を入れて斜めがけに。ストラップの長さを自分仕様に調節できるものが多いので、胸のあたりに本体がくるようにサイズ調整すれば手でゴソゴソ探すことなく目で見て必要なものを取り出せます。ストラップを伸ばせばポシェット風に、短くして肩に掛ければショルダーに。財布とスマホを入れて近所へ買い物に行く時から、お出掛けにも使えます。
こちらでは、小ぶりなマチなしショルダーバッグを総称してサコッシュバッグとしてご紹介していきます。
見た目には薄くマチがないサコッシュバッグ。気になってはいるけれど、実際にどのくらい荷物が入るかという部分では心配・・という方もいらっしゃるのでは。今回はサコッシュバッグを通勤用カバンとして愛用中のZUTTOスタッフが、中身を断捨離しながらサコッシュに詰められる必需品を検証していきます。
◆今回の愛用者:スタッフK
編集スタッフ。ZUTTOに掲載している商品の撮影を担っており、両手が使えて身軽に動けるバッグが好き。
◆愛用品データ
レザーショルダーバッグ pouch(BLACK)
購入は3ヶ月ほど前。商品撮影の際に、つや消し加工された上品な金具に一目惚れしたのがきっかけ。通勤で使っているので、使用頻度はほぼ毎日とのこと。鍵やお財布、タオルや薬など詰め込んでおり、よくバッグに触るためかなり馴染んできた様子。
こちらが今回ご紹介するスタッフ愛用中のサコッシュバッグ。カジュアルな日には斜めがけにしてサコッシュに、ワンピースやスカートの日には紐の長さを変えてショルダー風にもできます。実際に使っているものと新品を見比べてみるとその差は歴然。マットなシープスキンレザーがくたっとして、程よいツヤ感が生まれています。毎日使うものだから、新品が一番綺麗な状態のものではなく、使っていくうちにどんどん素敵になるところが良いですね。
こちらが新品。羊革なので、もともと柔らかく使い始めからくったりしていますが、使い込んだものと比べるとマットでまだツンとした印象です。
荷物の断捨離。何を入れてますか?
◆マチがないからこそ、バッグの中に入れるもので気を付けていることはありますか?
基本的にマチのないものを選び取って、入れています。お弁当を持っていきたい時は、別のサブバッグを使っています。手提げのバッグが小さく軽くなるだけで、見た目以上にストレスが軽減されるんです。購入前のイメージよりも楽で、これは嬉しい誤算でした。
◆それぞれのポケットにはどんなものを入れていますか?
手前のポケットには、すぐに取り出し、しまいやすいものを入れています。メインスペースと違い、マグネットで開ける手前のポケットは、すぐにモノにアクセスできる場所を生かして、パスケース、鍵(チャーム付き)、薬、リップクリームなどを入れています。内容量によっては、薄い文庫本や、スマートフォンも入れられます。ちなみに、メイン収納の中にも内ポケットが付いていて、そちらにはもしもの時のティッシュや絆創膏などを入れています。
メイン収納には、立ち止まって取り出すことが多いものを入れています。お会計の時に取り出すお財布や、化粧室で使うハンカチ、電車の中で音楽を聞く用のイヤフォン、作業中に食べるガムやタブレットなどの小さなお菓子も入れています。心配性なので、雨対策には軽くて小さい折りたたみ傘を入れ、お財布と出先で荷物が多くなりそうな時は薄手のトートバッグをくるくると丸めて入れています。私は長財布ユーザーなので折りたたみ傘とトートバッグは両方入れられないのですが、ミニ財布をお持ちの方ならどちらも入ると思います。やはりお財布はバッグの中で大きく幅を取るので、そろそろ買い換えたいなと思っているところです!
◆サコッシュを愛用するにあたって断捨離したものはありますか?
先ほどもお伝えしましたが、基本的にマチがあるものは断捨離しました。例えば、メイクポーチは入りません。私はあまりメイク道具は持ち運ばないのですが、中身を吟味して入れることはできます。リップクリーム、ルージュ、お直し用パウダー(ケースに厚みのないもの)、薄手のコンパクトミラーなら入れられると思います。後は、この時期に欲しくなるペットボトル。お水など出先で買う時は350mlなどの小さめサイズを選んで飲み切るようにしています。形によっては無理やり入れられないこともないですが、形が崩れてしまいサコッシュの良さが出ないのでバッグには入れず、断捨離の方向に。
こちらはスタッフが実際に使っているバッグとその中身。「思っていたよりもモノが入りました。毎日持ち歩くものはこのバッグに入れてしまっています。他にも持ち歩くものが増えた時はリュックを使うのですが、急いでいる時はバッグインバッグになるのでそのまま入れて通勤します。一度荷物を断捨離してしまうと、これが普通になるんです。思い切ってこのバッグを選んで良かったなと思っています!」とのこと。
サコッシュバッグを使うことで、断捨離をしながら日々の必需品を選び取ることができた様子。今一度暮らしを見直すという点でも、サコッシュバッグの魅力が垣間見えますね。
世の中に溢れるサコッシュバッグ。メインとなるのは、そのバッグがスポーツ用品として使われていたことからもスポーティーな素材が多いですが、ファッションとして取り入れるならばその素材にもこだわりたいところ。経年変化を楽しめるレザーや、素材感がファッションのアクセントになるスエード、軽量で使いやすいキルティングなどその素材は様々。今回はZUTTOでご紹介している人気のサコッシュバッグを覗いてみましょう。
初めから使いやすく、レザーの経年変化を楽しめる:シープスキンレザー
大きめポーチがそのままバッグになったかのようなサイズ感の、レザーショルダーバッグ pouch。柔らかなシープスキンレザーのサコッシュバッグです。先ほどスタッフの愛用品としてご紹介したものと同じもので、使っていくうちに上品なツヤが楽しめます。
カラーは、ベージュに近いカラーのL.GRAYと漆黒のBLACK。お洋服の雰囲気をぐっと変えますので、お色選びはじっくりと。
光沢感のあるストラップで、上品な印象。
肩から掛けて、ショルダーバッグとしても使えますし、紐を外側のポケットに仕舞ってクラッチバッグとしても使えます。
ファッションとしておしゃれに取り入れたい方に:スエードレザー
とってもコンパクトで、きゅっと口をすぼめた形が可愛らしい巾着型のサコッシュバッグ。素材は肌にふんわりと優しい上品なスエード生地です。スエードというと秋冬のイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、一年中使えるスニーカーや、夏らしいサンダルやスリッポンに使われているシーズンレスな素材。このサコッシュバッグのように面積が小さいアイテムに使うことで、お洋服との素材感の対比がおしゃれです。
ストラップの使い方で持ち方を変えられるのもポイント。片側から紐を引き出すと、肩掛けが可能。両側から引き出すと持ち手が短くなり手持ちができます。
このサコッシュバッグは、スマートフォンとミニ財布だけを入れて身軽なお出かけのおともにいかがでしょうか。肩から掛けると体に沿うようで、バッグを持っているストレスもありません。サブでもう一つバッグを持っても違和感なく、夏の軽快な装いから冬のコートにまでよく似合うミニマムさ。
カラーはグリーン、トープ、ネイビー、ブラウンの4色をご用意。面積が小さいので、普段のお洋服にはない色味のものを選んでも良いですね。コーディネートのアクセントになりますよ。
軽さ・丈夫さを重視する方に:キルティング生地
こちらはPATRICK STEPHAN(パトリック ステファン)のキルティング ショルダーバッグ pouch。キルティングを施したナイロンポーチにストラップの付いたサコッシュ。コの字型に広めに開くファスナーで、200gを切る重量で、見た目だけでなく非常に軽やか。このキルティング柄はヴィンテージのフレンチミリタリーウエアから着想を得たもの。ナイロンの質感や細やかな部分までのこだわりが感じられ、シンプルな中にもさりげないモード感が感じられるバッグです。
KAHKI
BLACK
キルティング素材のバッグは、レザーのように傷が付く心配がないため、バッグインバッグにも最適。たっぷり容量のバッグの中身の整理用に大きめのポーチとしてお使い頂き、身軽に出かける時はサコッシュとしてお出かけするのも良いですね。
外側のポケットはマグネット式
自分のバッグの中身を断捨離して、持ち歩きたくようなサコッシュバッグ。素材やかたちまで、暮らしに沿うものを選び取ってみてはいかがでしょうか。
両手があくから、身軽。ショルダーバッグはこちらから