異なる人が同じものを使った場合の使い心地をご紹介する、比べる二人の使い心地シリーズ。第4弾は、伝統的な木工技術、石畳組み接ぎの美しさと可愛らしい佇まいが共存する、倉敷意匠の引き出しボックスです。世にあまたモノが溢れる時代、何を着るか何を持つかは自由ですが、その中で同じモノを選び取るには理由があるはず。今回の引き出しボックスは、異なる愛用者の暮らしに優しく寄り添っていました。
今回の使い手はこちらの二人。
(左)別注品担当M:
引き出しボックス愛用歴は3年。お皿やまな板など、木製品を多く愛用している。
(右)編集担当Y:
引き出しボックス愛用歴3ヶ月。今年に入り、引っ越しに備えて持ち物の整理をしたところ。
M:もともとアクセサリーを収納するためのものが欲しいと思っていて。そんなときに撮影でこの引き出しボックスを見て、ちょうどよい大きさに惹かれたんです。
Y:私は外に出しておける収納ボックスを探していて選びました。引っ越しに備えて大掃除をしたんですが、収納も、普段使うものは1つに集約させたくて。そのときに、高さがそれぞれ違う引き出しボックスなら、色んなアイテムを入れられるなと思ったんです。使い始めて3ヶ月ですが、サイズ感がちょうど良いことが使ってみるとよりわかりますよね。
M:本当に「ちょうど良い」という言葉がぴったりだと思います。引き出しそれぞれの高さが違うところも、ボックスそのものの大きさも。
Y:大きすぎず、小さすぎずで、置いてても圧迫感がないのが良いですよね。個人的にはすべすべした触り心地もお気に入りです。
引き出しのついた収納ボックス、というと引き出しは全て同じ高さであることも少なくないですが、倉敷意匠の引き出しボックスは、3段それぞれ高さが異なるところが特徴。どんなもの入れて、どんな風に仕分けるかは、愛用者の腕の見せ所と言っても良いかもしれません。愛用者の暮らしぶりも垣間見える引き出しの中身も、少しだけ見せてもらいました。
スタッフM:暮らしにあわせて中身も変わる
1段目:普段使いのアクセサリー
2段目:ハンカチ
3段目:たまに使う化粧品
M:1段目と2段目は普段使うものなので、毎日必ず開けますね。3段目はなかなか仕舞う場所が見つけられなかった普段使っていないお化粧品入れに。冠婚葬祭など、しっかりとお化粧をするときだけ使うので、普段のお化粧用品とはわけたかったんです。
Y:確かに仕舞う場所に悩むものを入れるには、3段目は高さがあってぴったりですね。
M:そうなんです。高さが違うから、色んなものを入れられて便利。あとは、3年使っていることもあって、中身は暮らしに合わせて少しずつ変わっています。以前は1段目に通帳や印鑑などを入れていたこともあったんですが、その役割は別の収納にバトンタッチさせて、普段使うものをこの収納ボックスに入れるようになりました。リビングにある飾り棚の上に置いています。
スタッフY:毎日必要なものの帰る場所に
1段目:メモ帳やWi-Fiなどの事務用品
2段目:普段使う腕時計やアクセサリー
3段目:毎日使うお化粧品や、常備薬など
Y:私は部屋の中で見える収納はこれだけなので、Mさんに比べると比較的色んな種類のものが入っているかも。すべて普段から使っているものばかりですね。アクセサリーも普段使いするアクセサリーは全てこの中に入っています。
M:コンパクトで良いですね!最大容量が決まっているので、良い意味でものが増えなさそう。
Y:そうなんです。リビングの中でもお化粧やパソコンをする作業デスクの上に置いています。二人とも、一番過ごす時間が長い場所に置いているところは共通ですね。
左:約3ヶ月使用、右:約3年使用
M:色味や風合いなど、大きく変わってはいないと思います。Yさんのものと比べてみると、少し濃いかな?と思うくらい。ただ、色味もそうですが木目の差などは個体差の範囲なのかなと。普段から使っているので、よく見ると少し傷がついていることもありますが、それも味わいだと思っています。
Y:引き出しボックスに使われているナトー材は、エイジングを楽しむというよりはそれぞれの個性を楽しむ素材なんですね。
①使い始め、個体差や木製品ならではのキズ・木目は気になった?
M:特に気にならなかったですね。そう言われると側面で色味がわかれているところもありますが、これもナトー材の個性が活かされている証ですね。
Y:私も気になるところはなかったです。そうそう、さっき並べて気が付いたのですが、後ろから見た時の木板の色が結構違うんですね。
M:本当ですね!気が付かなかったです。
Y:使い始めたばかりの私の方が濃い色なので、エイジングというよりは本当に木材の個性がそのまま活きている収納ボックスなんですね。
②サイズ感について、意外と大きい?
M:収納力が見た目以上にあるという意味では、そうかもしれません。両手で持てるサイズではあるけれど、小さすぎず。あまり小さいと入れられるものも限られてしまうので、私がこのサイズ感が良かったです。どんなところにもフィットするというか。
Y:同感です!私はこの隣にティッシュボックスやミラーも置けています。ただ、ちょっとした小物入れというよりはしっかり収納をしたい人におすすめですね。
③引き出しの開閉はスムーズに出来る?
M:3年使っていますが、特に引っかかりもなく、スムーズです。
Y:気にしているわけではないですが、1段目と2段目は3cmくらい開けたところで少し引っかかることがあります。その場合は、引き出しを少し持ち上げるようにして開けると問題なく開けられるので、特に困ってはいないですね。
<番外編:ひっかかりが気になる方へ>
この話をきいた編集担当が後日、メーカーの倉敷意匠計画室さんに伺ったところ、引き出し間にある板の奥部分が空いているので、その板の端と引き出しが当たっているのかもしれないとのこと。紙やすりで少し削るだけで微調整が出来ると伺い、実際に試してみました。
※木くずが出ますので、削る板の下にある引き出しは予め出した上で、削ってください。
すると、削り始めてから5分ほどで、以前よりも引き出しがスムーズに動くように。
倉敷意匠計画室さんによると、そもそもこの空間は、引き出しを入れ込むとき空気が邪魔をしないよう、あえて空気の通り道として空けたものなのだそう。また、木材は湿度や温度変化に弱く形も少し変わってくることから、長く使っていくうちに引っかかるようになるかもしれないとのことでしたが、その場合もこの紙やすりで調整する方法は有効なのです。長く愛用することも見据えて、今から知っておくと心強いですね。
④お手入れは必要?
Y:毎日使っているものなので、手で触れることでお手入れになっているのかなと思います。
M:気になった時に乾拭きや水分を固く絞った布で拭くだけで十分だそうです。洗剤は表面のウレタン塗装に影響してしまう可能性があるので避けています。オイルを馴染ませるというお手入れもお好みだそうなので、様子を見ながらやってみようかなと思います。
高さの異なる3つの引き出し。コンパクトな見た目でありながら、その使い方は愛用者の数だけ、可能性を秘めている様子。暮らしのかたちに合わせて、使い方を少しずつ変えていけるところも長く愛用出来る理由なのかもしれません。
1981年、江戸時代から続く美しい町並みで知られる岡山県倉敷市で、繊維製品のプリントデザインとシルクスクリーン印刷工場としてスタートした倉敷意匠。素材を大切に、ものづくりの過程とそこで生まれる風合いを独特の個性に磨き上げ、温もりあるものづくりを続けています。手仕事の伝統が残る倉敷の地で、熟練した職人の技術をからみ合わせながら生み出されるものづくりは、日用品として日々使われることで、より美しく育つ、誰かにとってのかけがえのない道具を生み出します。
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▽過去の「比べる二人の使い心地。」バックナンバー
第1弾:PATRICK STEPHAN「3way レザーポシェト」編
第3弾:fog linenwork「リネンマッサージバスマット」編