私たちが普段何気なく使っている鞄。通勤、週末のお出かけ、買い物のときのエコバッグとして、など使うシーンも様々ですが、その素材も然り。今回取り上げるのは、バッグの中でも定番の「キャンバスバッグ」。コットンという天然素材でありながら、デリケートに扱う必要もなく普段使いにぴったりで、使えば使うほど味わいが深まります。
今回は、使い込むことで味わいの出るキャンバスバッグを安心してたくさん使えるために知っておきたい、お手入れに関するミニコラムです。
そもそもキャンバス地は、その昔、物資輸送のための大型船の中で一般的だった「帆船」の帆として、厚く、丈夫な素材を、と作られたことが始まりだそう。だから「帆布」とも呼ばれているのですね。その流れで、鞄や靴、その他にも絵画のカンバス、テントなど、様々なものの素材として応用されていきます。
ポーチの生地にもよく使われていますね。
キャンバススニーカーはカジュアルスタイルの定番。
特に白いキャンバスバッグは合わせる洋服を選ばないので、定番の人気アイテム。しかしながら、新品の白いキャンバスバッグを手に取ると「汚れやすそう」と感じたり、実際に「気が付いたら汚れてしまっていた」ということがあるかもしれません。
でも実はその「汚れ」、裏を返せば味わいになるきっかけ。キャンバス地のことを知った上で、「汚れたらお手入れ」を習慣づければ、安心してキャンバスバッグを愛用できるはずです。
それでは、実際のお手入れの手順について。必要な道具も少なく、時間もかからないので、是非日々の習慣にしてみてください。
はじめに:使い始めのひと手間
なるべく綺麗に使いたい方は、予め布用の防水スプレーをかけておくことで、雨による型崩れやシミを防ぐことができます。さらに、汚れの防止にもなる効果もあるので便利。一方で、風合いをより楽しみたいという方は、スプレーをかけると生地の表面をコーティングしてしまうので使わないほうがおすすめです。
※使用される際は、必ず、目立たない箇所に少量をスプレーして異常がないことを確認してからスプレーしてください。
ただ、上の写真のようにキャンバス生地を2枚張り合わせて作られているものだと、水分を含むことで張り合わせが浮いてしまうことがありますので、その場合はご使用をお避けくださいませ。不安な場合はZUTTOカスタマーサポートまでお問い合わせください。
帰宅後5分でできる、デイリーケア
・まずブラッシング
キャンバスバッグに付いたほこりや砂は、柔らかいブラシで落として、汚れが定着してしまわないようにケアを。洋服ブラシ(もしくは柔らかい布)で、上から下へ払うようにブラッシングしてください。
・気が付いた小さな汚れは、消しゴムで
汚れによってはプラスチック消しゴムで軽くこすると落ちる場合もあるので、試してみてください。ただし、こすり過ぎると生地を傷めてしまうのでご注意くださいね。
・雨の日などで、濡れてしまったら
水分をよく拭き取りましょう。早めに柔らかい布で拭き、通気性の良い場所で陰干ししてください。
・ものを入れっぱなしにしないこと
型崩れや臭いを防ぐために、キャンバスバッグの中に長期間ものを入れっぱなしにすることは避けてください。定期的に中身を空っぽにして、風を通して湿気がこもるのを防ぎましょう。
汚れが気になるときのレスキューケア
落ちにくいシミは、蛍光漂白剤の入っていない中性洗剤で部分洗いを。洗剤を含ませた柔らかい布で叩くように汚れを落とし、その後固く絞った布で拭きとってください。
その後、干す時は必ず通気性の良い場所で陰干し。キャンバススニーカー同様、生地に洗剤が残っていると黄ばみの原因となりますのでしっかり落としてくださいね。
※革や金具など、部分的に異素材が使われているバッグは色移りの可能性がありますので、洗剤で洗う場合は特にご注意ください。
このように、ひとつひとつの工程はとても簡単。習慣づけてしまえば、綺麗な状態をキープできますし、日々手間をかけることでより一層愛着がわいてきます。日々の数分のケアが、5年、10年と使い続けられることにつながっていくもの。なんとなく使ってきたキャンバスバッグがもしお家にあったら、是非お手入れしてみてください。
最後に、ZUTTOで取り扱っているキャンバスのモノも少しだけご紹介します。
帆布 トートバッグ(M) PINE 9号 SCCP002
2007年にスタートしたSUNSET CRAFTSMAN(サンセット クラフツマン)のキャンバスバッグ。定番のトートバッグの形です。生地の表面にはペイントが施され、染めには出せない色合いが加わり、丈夫な帆布に更に耐水・耐久性が増しています。
オーセンティックな帆布バッグにも個性を光らせるこのペイントは、アメリカで見つけたヴィンテージバッグからヒントを得たもの。当時恐らく防水のために持ち主が自分で底にペイントを施した、軍もののダッフルバッグ。住まいでもガレージでも道具でも、自分が使いやすいように工夫して手を加えていく、ものに愛情を込めて使い込んでいくスピリットが感じられるキャンバスバッグです。
ロールトップリュック(倉敷帆布)
こちらは、明治時代から、岡山県倉敷市の土地で代々織り続けられてきた、倉敷帆布のリュックサック。キャンバス(帆布)生地にレザーの質感がアクセントになっています。リュック上部が丸められる余裕のある作りのため、かさが必要な時はロール部分を伸ばしたり、荷物が少ない場合はトップをくるくると織り込んだりと、持ち物によってサイズ感が変えられるのも良いところ。柔らかさもあり、それでいてタフなキャンバスバッグだから実現できた形です。
モノイレ 芥子(JoBu)
1933年創業の、帆布の産地、岡山県倉敷市にある株式会社バイストンに誕生したJoBu(ジョーブ)。道具であった帆布の原点に戻り、天然素材による頑丈な生活道具を作りたい、そんなプロダクトデザイナーと「倉敷帆布-バイストン」の出会いから生まれました。
こちらのモノイレ 芥子(コットン帆布)は、紙袋のような形のキャンバスの収納道具。サイズは4種類あり、どんなものでも違和感なく収納できます。お掃除用具をまとめたり、散らかりがちなストール類を入れたり、お子さんのおもちゃ入れにしたり。ビニール袋をかぶせればゴミ箱代わりにもなる、便利な日々の道具です。
使い込むうちにパリッとした新品の状態から、柔らかく、手に馴染むようになるキャンバスバッグや、キャンバスの小物。さほど扱いに気を配らず、毎日気兼ねなく使え、汚れが気になったらすぐにお手入れできる点が、日々使うモノとして嬉しいですね。白いキャンバスバッグも、お手入れの手順さえ覚えておけば、汚れも怖くありません。お手入れしながら、味わい深まる様子を楽しんでお使いください。
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