睡眠の質が低下しやすいといわれる冬ですが、多くの方にとってもここ何年も「快眠」は気になる事柄ではないでしょうか。情報を見つけては取り入れてきた、就寝2~3時間前のお風呂や寝る前のストレッチ、ホットミルクやカモミールティー、アロマに照明、快適なパジャマ...。生活習慣から日用品を見直し、いよいよ羽毛布団の買い替えも考え選んだ国産メーカー。
羽毛布団の買い替えはホットミルクのように手軽にはいきません。様々な価格に品質の違いがあることはわかっても、その中身が見えないため確かなものかどうか判断が難しいのです。快眠という大切なテーマに妥協は禁物と考え、より安心できる日本の丁寧なものづくりに信頼を寄せることにしました。
今回は、NANGA(ナンガ)の羽毛布団(ダウンデュベットシングル)を知ることで羽毛布団について学びましたので、買い替えを検討する方もご参考ください。
真綿布団の産地として知られる滋賀県米原市で1941年創業した布団メーカー「横田縫製」が前身のNANGA(ナンガ)は、50年以上に渡って地場産業を支えた、布団メーカーの技術とノウハウを引き継ぎ、1995年からはアウトドアブランドへ進化し、多くのアウトドアや登山家から支持されています。
そのNANGAでは、アウトドア製品の製造と並行して、密かに社員向けの高品質な布団づくりも継続してきました。その社内限定で製造されてきた寝具の優れた品質を一般向け製品として開発したのが「GOOD SLEEPING」シリーズです。
過酷な環境下での保温性を追求するシュラフづくりに採用する高度な設計、ノウハウを家庭用布団で再現した季節や室温に応じた布団なのです。
NANGAが作る羽毛布団(ダウンデュベットシングル)は、ただ羽毛を詰めた布団ではありません。世界中の登山家たちから絶大な信頼を得ているシュラフづくりに取り入れている、人体形状をトレースして設計された「マミー形状キルト構造」で、一人寝に特化した掛け布団です。
このキルト構造では、寝袋での顔周りや足元からの熱損失が課題であったことを布団にも活かし、これらの箇所にダウンを重点的に封入することで保温性の低下を防ぐ構造を開発したそうです。布団の中に横たわる体に合わせて設計し、場所に応じて形状と羽毛量を変えて熱が逃げやすい部分には羽毛量を増やし、冷気の侵入を防ぎます。そのため、寝返りを打っても柔軟に体に沿い、背中側が寒くなったりする心配のないという布団なのです。
そのおかげで、従来の羽毛布団と比べて8%の保温力アップを実現し、寝返りを打っても暖かさが逃げにくくなっています。一般に大人が一晩に寝返りをする回数は20回前後と言われています。繰り返す寝返りで、背中側が寒くなったりすることもあり、シングルベッドでもセミダブルサイズの布団が欲しいと思ったこともありますので、嬉しいキルト構造です。
また、側生地にもこだわり、表側より裏地に重みを持たせ、布団自体を低重心させることによって就寝中の寝返りで布団のズレてしまうことを軽減しています。
上図の黄色が放熱が見られる箇所です。従来のものと比べて放熱が少なく、保温力アップ。
ダウン量は800g(ダウン90%、フェザー10%)。羽毛布団の中身というと、ダウンと呼ばれる水鳥の胸にある綿毛とフェザーと呼ばれる羽根の部分が入っています。これは品質表示で確認ができますので、普段使っている布団は一度チェックしてみるのも良いです。
水鳥にとっては肌着のような役割のダウンは、たっぷりの空気を含んで寒さから耐え、吸湿発散性が高いことから、寒冷地に生息する自らの体を温めます。そのため、ダウンの割合が多い布団ほど暖かくなり、ダウン90%の充填量というNANGAの羽毛布団(ダウンデュベットシングル)は暖かいというわけです。
そして、大事なダウンの品質についてです。封入されているダウンは、スペイン北部の広大な大地で育てられた高品質なホワイトダックです。基本的にダウンは食肉用に畜産された鳥から取れる副産物ですが、近年、ダウン需要の高まりで飼育コストをかけずに短い育成日数で食肉を育て、安価なダウン(本来のダウンの暖かさを発揮しきれない)が多いと聞きます。
NANGA(ナンガ)では、スペインのダック飼育を20数年前から始め、伝統的な飼育方法と新しい仕組みを組み合わせて、約90日間という長期間の飼育を行います。 羽毛の品質は、この飼育期間に大きく左右され、長い期間育てることは、ダウンが大きく、毛足も多く弾力のある羽毛になるとされています。長期飼育を行っているダックは世界でも約10%程度しかいないほど極めて希少な高品質素材です。
そしてもう一つ、ダウン選びで気になる点の製造背景です。製品になっては見えないところではありますが、安価なダウンやそうでないものでも時に、正しい品質管理が行われず、薬剤、埃、垢、汚れなどが残った状態で製品に封入されるダウンも多いのだと聞きます。アレルギーがある場合には特に気を遣いたい点でもあり、国産の信頼をおけるメーカーを選びました。
NANGA(ナンガ)は、創業100年を超えその技術の高さが世界一と言われる羽毛専業メーカー・河田フェザー株式会社に依頼し、安全な洗浄工程を経て製品にしています。河田フェザーの工場は、三重県多気郡明和町に位置し、その恵まれた水質環境と国内外から良質の原料を仕入れ、国内工場で精製し、確かな品質の羽毛を提供することに尽力してきた工場です。
徹底したダウンの選別とそれぞれに合わせた洗浄・精製することで、羽毛が持つ温湿度調整機能が非常に高く、丈夫で羽毛特有の匂いのないダウンを作り、多くの人に安心して使っていただきたいと、高品質な羽毛を精製することを追求しています。
大台ケ原山地水系の硬度3の超軟水で、羽毛を傷めることなく隅々まで浸透し、加えて、弱アルカリ性の特性で羽毛の傷みを修復することができるのだそうです。アカやホコリを取り除く洗浄する工場を構えるのに適した恵まれた土地です。
また、独自の検査基準を設け、除塵、洗浄・回復、乾燥、冷却除塵の工程を経て、汚れを完全に除去します。業界の3倍もの高い洗浄基準を設け、水が徹底的にきれいになるまでダウンを洗い、精製することでダウン本来の保湿性や吸放湿性などの機能が回復し、長く使える良いものになるのです。
1.入念な除塵工程(汚れの20%を事前除去)
また、目に見えないチリやホコリ、水鳥のアカや脂肪までも完璧に落とします。清潔な羽毛はヘタリも少なく耐久性も向上する上、撥水加工を施す際にも薬剤がのりやすい。菌の温床となるホコリやアレルギー源を全て取り除き、安心してお使いいただける羽毛布団になっています。
寝袋開発で培った技術を活かし、コンパクトに収納可能な設計を実現し、車中泊用や防災用品としての活用できる持ち運びやすい大きさになる収納袋が付属して簡単に省スペース収納ができますので、急な来客時にも対応できます。
日本の確かなものづくりの安心安全で、多様なシーンで活躍する実用性を備えた羽毛布団(ダウンデュベットシングル)でした。
365日毎日使うものだから、良い眠りに良いものを選びたいものです。