雨の日に欠かすことが出来ない傘はどのように選んでいますか?傘の色やデザインだけでなく、サイズや生地の特徴、骨の形などによっても、持ちやすさや使い勝手が変わってきます。ZUTTOのスタッフが実際に使う多種多様な傘を見ながら、来る梅雨に役立つ雨傘の選び方をご紹介します。
お持ちの傘は使い始めてから何年目のものでしょうか。傘は折れてしまったり生地に穴が開いたりしない限り、ずっと同じものを使い続けている場合が多いかと思います。傘の種類にもよりますが、傘の寿命は実は約3〜4年とも言われています。長年使い続けてきた傘は、雨水を弾く撥水効果や生地の広がり方など、傘が果たすべき役割である「雨から身を守る」ことが成立しているかという点を確認する必要があります。
✔傘のチェックポイント
① 降雨時、傘をさしていて内側から雨漏りすることはありませんか。
もし、傘をさしているのにポツポツと雨が落ちてくるのを感じたら、それは傘生地に穴が空いている、もしくは縫い目が開いてしまっていることを疑ったほうが良いでしょう。雨だけでなく風にも煽られることの多い傘は表面積が大きい生地に負担がかかるため、長年使っている傘は雨漏りの懸念があります。
② 傘生地の裏側を触れると、じんわり濡れていることはありませんか。
通常、傘は生地の表面で雨を弾く撥水効果があるため、生地に水が完全に染み込むことはありません。しかしながら、長期間の使用により撥水効果が弱まると、生地の裏側からも水気を感じることが出来ます。大雨の日などは徐々に生地に雨水が浸透し、雨漏りの原因となることも。
雨に濡れた生地の裏側を触れてみて、しっとりと水気を感じないかチェック。
③ 傘をさしていると傘骨全体がきしむように感じることはありませんか。
傘を開いた状態で、風に煽られたり、親骨を動かした際に、キシキシと骨が音を鳴らす場合、骨の湾曲や歪みが考えられます。強風にあたった場合、内骨が折れたり曲がってしまう恐れがあります。
お持ちの傘はどんな状態でしょうか。もし上記のひとつでも当てはまる場合は、傘の買い替え時かもしれません。普段何気なく使うものだからこそ、ときには時間をかけて丁寧にチェックすることをおすすめします。
ZUTTOでも数多くお取り扱いしている雨傘は、スタッフの間でも愛用者が多くいます。同じ傘を5年間愛用しているスタッフや、自分なりにケアやアレンジをしながら使っている者など、その使い方は様々。スタッフがその傘を選んだ理由や使い方を通して、それぞれの傘の使い心地と使い分けの方法を考えてみます。
持ち運びのしやすさが決め手に。Knirps X1 愛用歴5年(スタッフY)
スタッフY私物 Knirps 折りたたみ傘 X1 (Rainbow)。※同柄は販売終了となっています。
世界で初めて折りたたみ傘を作り出したドイツのブランド、Knirps(クニルプス)の傘は、その高い機能性からZUTTOでも愛用者が多数。中でも、「ポケットに入るくらいの小さな傘」とブランドが自負するコンパクトなX1シリーズが人気です。ZUTTOのスタッフの中でも、もっとも愛用歴が長かったのは、こちらのスタッフYのKnirps X1。
軽量なサイズ感と壊れにくさに惹かれて購入に至ったというKnirps X1は、その特徴を立証するかのように5年使い続けていても、やや生地のハリが薄れてきてはいるものの壊れることなく、傘としての役割を果たしています。
同シリーズのKnirps (クニルプス) 折りたたみ傘 X1 Navy Dot
実際に使ってみてスタッフYがもっとも気に入っているという点が、持ち運びしやすいサイズ感。X1は約280gという驚くほどの軽さが魅力です。大雨の際には長傘を使うと言いますが、晴れの日も念のためこのKnirpsをバッグに入れて、持ち歩いているのだそう。通勤バッグに入れても気にならない軽さが嬉しいポイントです。
使い終わった後は濡れた傘をケースに入れて、バッグの外側に引っ掛けることが出来るのもX1ならではの特徴。外ケースに付いた紐の根元をくるりと回転させると紐の輪が外れるので、バッグの持ち手等に取り付けることが出来るのです。スタッフYも、折りたためるとはいえ濡れた傘をバッグの中に入れるのには躊躇していたとのことですが、バッグの外側に取り付けられることで手が空くのがとても便利と言います。
サイズの小ささだけでなく、中袋とケースが付いていたり、引っ掛けて収納が可能といった実用的な部分がKnirps(クニルプス)が評価される所以とも言えますね。
同じシリーズを使い続けて3代目。Knirps X1 愛用歴1ヶ月(スタッフM)
スタッフM私物 Knirps (クニルプス) 折りたたみ傘 X1 白雨
同じく、Knirps X1の傘を愛用するスタッフがもうひとり。スタッフMは、Knirps X1の傘を使い続けてきて、1ヶ月前に購入したX1の傘がなんと3代目になるとのこと。
過去のX1の傘も4年ずつ使い続け、雨のにじみが気になったため買い替えたとのことですが、「折りたたみ傘の元祖」であるKnirps(クニルプス)を特徴づける傘の作りやコンパクトなサイズ感、風雨に対する強さのバランスが良いと感じ、その頼もしさが3回のリピートに繋がったと話します。
ぽつぽつ雨も、ザーザー降りも、台風でも、スタッフMの場合このKnirps X1で乗り切るのだそう。親骨にアルミとグラスファイバーを使ったKnirps(クニルプス)の傘は、風に煽られてもシャフトがしなり、衝撃を分散させることから、軽量でありながらも強風に強いという作りになっています。
スタッフYと同様に、驚くべき軽さから通勤時に晴れていても念のためバッグにX1を入れて持ち歩くとのこと。X1タイプのケースは少し材質が硬めのため、この中に傘を入れておけば、バッグの中で他の荷物に押されて傘の骨が傷むという心配もありません。
スタッフMが少々気になると話すのが、外ケースが傘のサイズに対してぴったりと作られているため、たまにジッパーで生地を噛んでしまうことがあるということ。生地を噛まないようにするためには、きちんと傘を畳んで中袋に入れた状態にする必要があります。傘本体を中袋に入れず、そのまま外ケースに仕舞うとケースの金具の影響か、傘生地に穴が空いてしまった事例があるため、必ず中袋に入れてから外ケースに入れることがポイントです。
手放せない、程良い大きさと自動開閉機能。Knirps Fiber T2 Duomatic 愛用歴2年半(スタッフU)
スタッフUの私物 Knirps 折りたたみ傘 Fiber T2 Duomatic (Country Granat)
Knirpsではサイズによって異なるシリーズ展開があります。こちらはKnirps X1のワンサイズ上となる、T2 Fiber Duomaticシリーズ。X1と比べると収納時・開閉時のサイズが大きくなり、ボタンを押すだけで開閉が可能な自動開閉機能が付いているのが特徴です。
Knirps T2 Fiber Duomaticを約2年半愛用するスタッフUは、通勤時にバッグを肘や肩にかけて持ち歩くことが多く、自分の身だけでなくバッグもしっかり雨から守ってくれるサイズ感を求めて、このシリーズの購入に至ったと言います。X1に比べると若干直径が大きくなり、柄の長さも3cmほど長く、やや太く設計されています。持ち歩く荷物をカバーしてくれる理想のサイズを保ちながら、腕に負担とならない重さ(約310g)を実現しています。
「これが便利だから、手放せない」と話すのが、ボタンひとつで開閉する自動開閉機能。開く際には手元に付いたボタンを押すと、ズバッと自動で柄が伸び、生地が開きます。この自動開閉のおかげで、傘の扱いに慣れれば片手で操作出来るのが魅力です。
傘の開閉の勢いには個体差があるため、慣れるまでは両手で柄を抑えながら開くことをおすすめとのこと。傘を閉じる際にも、同じボタンを押すと生地がカシャッと閉じてくれるので、その後手動で柄を縮ませて収納する仕様。柄を縮める際は、やや力を入れて両手で抑えることが必要なので、この操作が心配な方は手動で軽く開くX1タイプのほうが扱いやすいかもしれません。Knirps(クニルプス)の折りたたみ傘は、大きさと開閉の仕方を念頭に入れて選ぶのがおすすめです。
天気で使い分け、実用性と愛嬌が共存する傘。
Guy de jean 折傘・KOMIYA 晴雨兼用折りたたみ傘 シャンブレーコーティング・愛用歴2年(スタッフN)
スタッフN私物 Guy de jean 折傘 Cat(NOIR)
その日の天気に合わせて傘を使い分けるスタッフもいます。
平日も外出することの多いスタッフNはふたつの晴雨兼用傘を使い分けていました。単色の生地から一見、シンプルそのものに見えるGuy de jean(ギ ドゥ ジャン)のGuy de jean 折傘。フランスで1940年にギ ドゥ ジャン夫妻が会社を設立しスタートしたGuy de jean(ギ ドゥ ジャン)は、独特なスタイルとノウハウのもとに傘を作り出し、生地の選択からハンドル部分の細部に至るまで、オリジナル性のあるコレクションを生み出しています。
Guy de jean 折傘は、ハンドルに木彫りのような樹脂で作られた動物の顔がモチーフになっており、タッセルとともにクラシカルな雰囲気を醸し出す折りたたみ傘。ポリエステル生地はウォータープルーフ加工、そしてフランスが定める紫外線(UV)遮蔽性試験にてSPF50+の効果が証明されている、雨天・晴天どちらにも使える傘です。
ZUTTOで発売を開始した2年前から使い始めたというスタッフNは、シックだけど愛嬌のあるモノがもともと好きだったことから、Guy de jean 折傘のモチーフづかいに惹かれたのだそう。晴雨兼用傘ですが、どちらかというと雨の日に出番が多いとのこと。動物モチーフという他にはない可愛らしさの上、軽量のため畳みやすくバッグにも仕舞いやすいというのもポイントになっています。
ほつれをきっかけに、もとのシンプルなブラックのタッセルを自分好みに付け替え
Guy de jean 折傘にはハンドルの部分にタッセルが付いていますが、傘の生地を留めるベルクロテープの部分に当たってしまい、ほつれが生じてしまったとのこと。そのため、他店で見つけた手作りのタッセルをつけて、自分らしくアレンジ。シックなブラックの傘に綺麗なエメラルドグリーンがアクセントになっています。ほかの人と被ることのある傘だからこそ、自分だけの印を付けると、ますます愛着が湧くと話すスタッフN。今後はタッセルを傷めることがないよう、傘を留めるときにはタッセルとベルクロテープが当たらないように、そしてカバーに収納する際はタッセルを外に出すよう気をつけているとのこと。
日傘として、突然の小雨にも対応出来る晴雨兼用折りたたみ傘 シャンブレーコーティング
そしてスタッフNがGuy de jean 折傘とともに併用しているのが、KOMIYA(コミヤ)の晴雨兼用折りたたみ傘 シャンブレーコーティング。晴雨兼用傘の中でも、Guy de jean 折傘に比べると日傘として主に企画された製品ですが、とっさの雨にも対応出来るよう、撥水加工が施されています。
晴雨兼用折りたたみ傘 シャンブレーコーティングは日がさんさんと降り注ぐ晴れの日用の日傘として持ち歩くというスタッフNですが、それでも思わぬ小雨に何度か当たったことがあるのだそう。大雨でなければ生地に雨が浸透する心配もなく、しっかりと雨傘としての役割を果たしてくれたと言います。日除けにも雨傘としても使える晴雨兼用傘は外出の多い方にとって重宝するアイテムです。
美しい細巻きの長傘に惹かれて
レディース長傘 マラッカ 愛用歴4年(スタッフS)、愛用歴5年(スタッフから家族への贈りもの)
スタッフS私物 レディース長傘 マラッカ/EDENHAM ※同柄は販売終了となっています。
さて、折りたたみ傘だけでなく、少し強めの雨でも安心して使える大きく開く長傘も愛用者が多数います。
FOX UMBRELLAS(フォックス アンブレラズ)はイギリスで創業した傘ブランド。小型のパラシュートの製造技術をもとに、世界で初めて化学繊維の傘を開発したブランドです。仕舞っているときも美しい細巻きの形と雨に当たったときに柔らかく雨を受け止めるデザインが世界的に人気を博しています。
ZUTTOのスタッフSも、以前ZUTTOで販売していたリバティ柄の長傘を、その美しい細巻きの形に憧れて思い切って購入したといいます。
同じシリーズのレディース長傘 マラッカ/Wine。細巻きの形が美しい。
「雨を避ける」という傘としての役目は、言ってしまえばリーズナブルなビニール傘でも果たすことが出来ますが、FOX UMBRELLASの長傘は仕舞っているときも開いたときにも美しいその佇まいから、持ち歩くことを負担に感じないというスタッフS。その背景には、木型による生地の裁断、ミシンによる縫製、メタルフレームの組み立て、各種自然素材のハンドルの加工など、多くの熟練の職人の手に渡り作り上げられているという、品質の高さを垣間見ることが出来ます。
スタッフが家族に贈ったレディース長傘 マラッカ/THEBERTON(サバートン) ※同柄は販売終了となっています。
また、家族への誕生日プレゼントにFOX UMBRELLASの長傘を選んだスタッフもいました。上品な佇まいはまさに大人のための傘、という印象を受けたことが贈りものに選んだ理由だったのだそう。傘が大きすぎず小さすぎないちょうど良い大きさで、また重すぎないのも使い勝手が良いと喜ばれたとのこと。石づき部分もすっと細長いため、全体がさらに縦長に品のあるシルエットになっています。
単色でもFOX UMBRELLASらしい品の良さが光る。レディース長傘 マラッカ/FrenchNavy
FOX UMBRELLASの長傘の柄は、シンプルな構造な分、ハジキと呼ばれるストッパーが手に当たりやすくなっています。傘を開く際には指を挟まないよう、ゆっくりと動作をすることが重要です。
金属と生地が組み合わされた傘は、乱暴に扱うとそれだけ負担がかかり、破損の原因となりますし、タッセルなどのパーツをなくしてしまう原因にも繋がります。開く・仕舞うという動作をひとつひとつ丁寧に行うことが、傘を使う上でまず第一に大切なポイントです。
傘の開き方・閉じ方
傘を開く際には、手動・自動ともにいきなり開くことはせず、ベルクロを外したら傘を優しく左右に振って生地をほぐします。この準備運動が生地への負担軽減に。その後、手動の場合はゆっくりと傘を開き、自動の場合も必ず左右を確認して人がいない場所で開くようにします。
傘を閉じる際は、まず傘の露先を揃えます。その後、三角形になった生地を優しく引っ張りながら整え、ベルクロで留めます。生地の部分を手のひらで強く押さえてしまうと、骨が曲がってしまう原因となりますのでご注意ください。
使用後の保管・撥水効果について
ZUTTOのスタッフもほぼ全員が行っていたことが、雨に濡れた後は、いったん傘を開いて乾かす、ということ。雨に濡れた状態で生地を畳んでしまうと、ニオイやカビの原因となり、生地への負担が大きくなります。直射日光が当たらない場所で十分に乾かした後、収納してください。
また、傘の撥水効果は永久的なものではなく、使用することで効果が薄れていきます。定期的に乾いた傘の生地にお持ちの撥水・防水スプレーを振って頂くことをおすすめします。※最初は目立たない場所で試してからスプレーしてください。
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