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「フランスにリップあり」

「フランスにリップあり」と称され、フランスのドゴール大統領やアメリカのアイゼンハワー大統領も愛用したという、200年以上の歴史を持つフランスの老舗時計メーカーLIP（リップ）。

ウォッチデザイン史に名を残したLIP（リップ）の代表作、マッハ2000デザインウォッチ　クロノグラフ　ブラックは、1974年当時からのロングセラーで、マッハ2000の「2000」には2000年になっても色褪せる事ないデザインであると言う事から名付けられたものです。

未来を見据えたデザイン

約40年前、このマッハ2000をデザインしたのは20世紀を代表するインダストリアルデザイナー、フランスの特急列車、TGVをデザインしたロジェ・タロン氏。
1929年、パリ生まれのロジェ・タロン氏は、学生時代には電気工学を学び、フリーのデザイナーとして、デュポン社などのインダストリアルデザイナーとして活躍します。その活躍を目にしたLIP（リップ）からロジェ・タロン氏にデザインを依頼、1974年に後のLIP（リップ）の代表作となるマッハ2000を発表しました。
そして、未来にも通用するデザインとして完成したLIP（リップ）の時計は、ニューヨーク近代美術館（MOMA）にも永久収蔵され、世界のデザイン界にとっても歴史を残しています。

200年前の時計というと、ビンテージ時計が思い浮かべます。クラシックな色形が現代にない趣に魅力がありますが、LIP（リップ）のマッハ2000は、まるでそのクラシックさを持ち合わせていません。逆に200年前のフランスのデザインの中では風変わりな近未来的だったのではないでしょうか。
機械式の時計だったLIP（リップ）のマッハ2000は、現在はクオーツ式ですが、デザインはほぼ当時のまま。球体のリューズがマッハ2000のアイコンのようにLIP（リップ）と聞いて想像するのが、このマッハ2000で、黄、青、赤の球体のリューズがアクセントに、ロジェ・タロン氏の計算された直線と曲線のデザインの時計は、今もなお多くの人を惹きつけています。
薄めのラバーベルトで付け心地良く、時計を装着した時に、フェイス部分の中心がずれていることに、ロジェ・タロン氏のデザインの美学を考えさせられるマッハ2000です。

歴史とともに愛されてきた時計

ファッションの流れによって、注目される時計の色形、デザインも変わっていきますが、いつの時代にも変わらず、世界中のデザインコレクターも虜にさせるLIP（リップ）。
その歴史は、フランス・ベザンソンの時計技師エマニエル・リップマンが1807年に制作したストップウォッチに始まります。歴史上の人物にも時計を贈呈した経歴でも有名で、1810年にナポレオン1世がベザンソンに訪れた際、彼に時計を贈呈したという記録が残っているほどです。時計以外にも、フランス空軍機のコックピットの計器類を制作するなど、技術力でも確かなものがあり、フランスの王室御用達ブランドでもあり、今も多くの人に愛されています。