Reports 006 エコでヘルシーなアクティブコンシューマーへの入り口
ZUTTOでご紹介している商品について、色々とアドバイスを頂いたりお世話になっている会社の一つオフィスオクトさん。 まだ、LOHASという言葉もない時代から、環境に配慮した生活の楽しさを提案し続けてきたオフィス兼ショールームはいつも楽しそうな雰囲気に包まれています。 オフィスオクトさんで取扱われている素敵な商品に囲まれながら、たくさんのお話を代表自らお聞かせいただきました。 今回、少し長居させていただいた分、長編です。
■お話を聞かせてくれた人
株式会社オフィスオクト 代表取締役 髙橋百合子 さん
◇株式会社オフィスオクト
「もっと自然に、もっと快適に、もっと楽しく!」を、合言葉に、海外の環境に配慮したサスティナブルな商品を数多く紹介しながら、展示会やイベントを通してナチュラルなサスティナブルライフを提案しています。Q1.オフィスオクトをはじめられたいきさつを教えてもらえますか?
表参道の駅から歩いてすぐ。もう少し時間が経つと、光がのびのびしてくるオフィスオクトのショールーム。
もともと弊社は コンセプトワーク・企画制作とPRを業務としていました。
読売新聞社からの依頼で、記事広告などを制作したことがきっかけですね。
その後、多くの企業の企画制作や建築コンセプトワークなどを手がけるなかで、フィンランド航空に日本語機内誌を提案し、実現しました。
2000年にはフィンランド情報誌SUOMIやフィンランド政府観光局のガイドブックも手がけ、フィンランドの暮らしやデザインに触れる機会が増えました。
同じ年に、リビングデザインセンターOZONE より「サスティナブル・デザイン展でサスティナブルなモノ展のコーディネーションの依頼を受け、約1ケ月の間、モノ展と同時に来展客向けに販売も行いました。 この時に、ドイツのフロッシュやフィンランド製品など数々を初めて日本に紹介しました。 好評をいただいたこの展示館は、翌年も依頼され、その流れもあってエコプロダクツ展への招待していただきました。 マスコミ、流通企業からの問い合わせも多く、この経験を通して、私たちの視点と基準のなかでサスティナブルデザイン製品を販売することに意義があると考え、サスティナブルな商品輸入卸に業態を転換しました。
北海道の北の住まい設計社、タイム&スタイル青山店の店長、OZONE のノルディックフォルムの皆様がすぐに弊社製品を採用していただいたのが嬉しい思い出です。
Q2.多くの商品を取扱われていますが、商品選びの考えをお聞かせください。
私たちのGOALは地球にも健康にも最もヘルシーであることを学び、求めていく アクティブなコンシューマーを創出することです。 その思いを形にするために作ったサイトがecomarketです。 オフィスオクトの商品選びは、このサイトに掲げられているものを指針としています。
Ecomarketの5つの選択基準は、- 環境調和性が高い素材
- 環境負荷が少ない
- 長寿命化
- 省資源・省エネルギー・クリーンエネルギー
- 3Rを踏まえたリデザイン
世の中には100% 自然素材でなければエコ商品と認めないという方も多いのですが、 私たちは今の暮らしをほんのすこし変えることで地球に与える負荷を小さくすることが大切だと思っています。 なんといっても、楽しくないと続けられないじゃないですか。 もっと自然に、もっと快適に、もっと楽しく!これがうちのモットーです。
私たちが提供する商品が常に完璧であるとは限りません。 けれど、私たちは私たちが存在する限り、毎日一歩一歩進み、よりよい商品を提供し続けることをお約束します。
Q3.自社取扱い製品以外に、多様な情報発信をされていますよね。
モノには必ず国や地域、人々の文化や思いが反映されています。 私たちが感じたり知ったりしたことを発信することで、モノの背景にある文化や 暮らしぶりをお伝えすることで、何かのきっかけになることができればうれしいと思っています。
例えば、私たちは北欧の人たちの暮らしを大事にするライフスタイルを学び共感しています。 私たちは商品を通してより多くの人々が、暮らしを大事にしてほしい、エコな暮らしは堅苦しいものではなく 快適で楽しいことに気づいてほしいと思っています。
幸い「エコ」に関して何らかの活動をしている方々とのネットワークも広がってきました。
Q4.展示会をはじめ、いろいろな活動もされていますよね。
ショールーム前の道もファミリーセールの時は賑やかに
展示会は、毎年ギフトショーの時期に合わせて開催する年2回のオクト展と、
6月のインテリアライフスタイル展に出展しています。オフィスオクトの発信する
エコでサスティナブルな新商品を数多く展示し、毎回ご好評をいただいております。
また、イベントの参加としてはap bank fes、エコグッドデザインスクエア、 エコプロダクツ展にショップを出展という形で参加致しました。 直接エンドユーザーのお客様とお話したり、商品の環境配慮コンセプトも説明することができ、 多くのみなさまにOCTスタイルを発信できる場となりました。
その他、年に3回春・夏・冬には弊社ショールームにてOCTファミリーセールを開催。 ここでは、少々難アリのB級商品や一点ものなどを格安価格で販売しており、 取引先の方やオフィスのご近所のみなさんが楽しみにしています。
姉妹会社エンヴァイロテックとの共同の忘年会では、社長から社員全員に「不都合な真実」のチケットプレゼント。 また自然エネルギーTシャツの購入など、社員一同、身近なところから問題意識をもって活動しています。
Q5.姉妹会社のエンヴァイロテックについてもお聞かせください。
圧縮減容機オーワック。鮮やかなオレンジは、安全性と信頼性で世界中に知られています 。
エンヴァイロテックは1990年よりスウェーデンORWAK社製圧縮減容機を中心として、さまざ
まな環境機器の販売を行なっています。
現在の導入先は約3000箇所、導入先は製造工場、物流センター、自治体、流通(百貨店・ス
ーパーマーケット・ショッピングセンターなど)、ホテル、リサイクル企業など様々です。
様々な顧客の状況に応じた減容機などを活用した最適なリサイクルソリューションを提案して
います。
この減容機の普及は日本では工場などでかなり一般的なものとなりましたが流通施設ではま だまだ普及していません。一方ヨーロッパでは非常に一般的なものであり、マクドナルドでは 世界で2400台も導入されています。 この減容機を利用して廃棄物を分別し、小さくしていくことで可能となるリサイクルの促進と、輸 送効率アップによるCo2の削減は非常に大きなコストメリットと社会的貢献があると考えてい ます。
現在、今までなかった分野からの問合せが少しづつ増えてきています。 建設現場での利用、イベント会場での利用、船舶への設置など資源の価値が上昇するなか 減容機を利用した環境への取り組みがさらに進んでいくと考えます。 今後もリーディングカンパニーとして16年間培ったノウハウをお客様のために活かしていきた いと思っております。 また、いままでのノウハウを活かし、CSR的な活動として現在幾つかのプロジェクトに参加し ています。
ap bank fesで活躍した圧縮減容機圧縮されたペットボトルは、資源となり再利用される。
その一つが、ap bank fesへの参加です。 弊社はこのap bankの活動趣旨に賛同し、静岡県掛川市「つま恋」で行なわれた野外音楽 イベント「ap bank fes’05」と「ap bank fes'06」に参加しました。 イベントで排出される膨大な廃棄物をリサイクルに向け、かつ、環境負荷を最小にするための 分別方法やリサイクル先のコーディネーションを行ないました。 また弊社のORWAK圧縮減容機を貸し出してペットボトルの圧縮減容をすることで、通常トラッ ク3台にて搬出する廃PETボトルをトラック1台に集約。 リサイクル先までのトラック移動の際に排出されるCO2を1/3に削減しました。
また、地域活動として、表参道欅会との取り組みも行っています。 エンヴァイロテックは事務所を表参道にかまえ、商店街組会である欅会の会員です。 そのなかでエコ・アヴェニュー宣言も行う表参道の廃棄物の発生抑制とリサイクルを推進す べく資源を商店街単位でプールし、有効な資源として流通させていく仕組みを商店街のみなさ んの協力をいただきながら推進しています。 発生する資源ごみをサーバー管理し、リサイクル業者と連係するなど機器の導入なども検討し ていますが、もっとも重要なことは参加者への啓蒙活動と捉えています。 まだスタートしたばかりのプロジェクトですが、じっくりと取り組み環境を意識できる表参道を実 現したいと思っています。
Q6.これからの夢とみなさんへのメッセージをお願いします。
不都合な真実
映画「不都合な真実」でゴア元アメリカ副大統領が話している通り、私たちの生
活のなかの小さな気付きややり方を少しだけ変えたり、使うモノを変える、こん
なことをみんながやっていけば、必ず地球環境はもっとすばらしい状態で私たち
の子孫に残すことができると思います。
難しいことではなく、できることを一歩一歩、いっしょにやっていけたらほんと うにうれしいことです。 私たちの2つの会社の企業活動のなかで、たくさんの人たちとふれあい、語ること を通して、思いを同じくする人たちの輪が少しでも大きくなる、そう考えるだけ でワクワクします。
また、「ecomarketには楽しくエコライフを実現できる商品がたくさん揃ってい る」といっていただけるように日本や世界中から商品を発掘したり、オリジナル 製品を開発していきます。それらは今後ZUTTOさんでもご紹介頂けるように なると思いますので、どうぞご期待ください。
◇取材後記
「今の暮らしをほんのすこし変えることで地球に与える負荷を小さくすることが大切。」 という肩肘をはらない高橋さんの言葉にほっとしました。 環境や健康に対して取り組んでいると、過敏になりすぎて物事の本質を忘れてしまう ことがあります。 あまりストイックになり過ぎず、自然で快適な楽しい暮らしを日々、心掛けたいと思います。
◇ecomarket
http://www.ecomarket.co.jp/
◇エンバイロテック
http://www.envirotech.co.jp/
» Report 010 人と環境にやさしいシューズをつくる人々
» Special Report AVANI 廻る大地の営みの中、人々が繋ぐ伝統の機織り
» Report 009 社会をボール市場から動かすことに挑むチーム
» Report 008 マニュファクチャーが拓く、人と自然に賢い暮らし
» Report 007 ミツバチが寄り道するハチミツ屋さん
» Report 006 エコでヘルシーなアクティブコンシューマーへの入り口
» Report 005 水は生活の基本、それを伝える製品たち
» Report 004 静岡の地場産業を変えるプロジェクトの真相
» Report 003 ダージリンに自然を取り戻した茶園のお話